2009 Fiscal Year Annual Research Report
πK原子の寿命測定によるQCD検証-発展DIRAC実験-
Project/Area Number |
20340059
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
岡田 憲志 Kyoto Sangyo University, コンピュータ理工学部, 教授 (90093385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 富士雄 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (40121537)
千葉 雅美 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (60128577)
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 准教授 (00144387)
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Keywords | DIRAC experiment / πK原子 / QCDの検証 / カイラル摂動計算 / ππ原子 / パイ散乱長 |
Research Abstract |
1、2009年のCERN-PSでのビームタイム中の7月から9月までの間に3名がのべ110日間CERNに滞在し、データ取得ランに参加しシフトをこなした。シフト中はデータ取得とオンラインモニター監視、検出器のメンテナンスを行った. 2、並行して、オフラインデータ解析プログラムの開発と解析を行い、特に読み出しモジュールをハイブリッドADC/TDCに交換した高分解能SCIFIホドスコープX面の位置分解能、時間分解能、1粒子検出効率、2粒子検出効率などを詳しく解析した 3、πK原子の寿命測定の統計精度向上のため陽子ビーム強度を標的上で増強したが、計数率が限界に来ている前方検出器群のdE/dx電荷検出電離検出器ホドスコープの性能向上のため2mm幅のSi-プラスチックシンチレータとPSPMに代えた試作品(実際の1/4)をT8-DIRAC実験コースに設置してテストランを行った。光量や時間、位置分解能については解析中である.2010年度にX-面Y-面各2面ずつとU-面を1面設置する. 4、データ解析:現在2008年のデータ解析中である.ππ原子の寿命解析に必要なCoulomb pair, non-Coulomb pair, Atomic PairのMonte Carlo計算が完了した.SciFi-hodosの前方にMicro Drift Chamberを導入したことにより原子事象の同定が良くなった.またπK原子の解離ペアー分布のMonteCarlo計算は現在進行中である. 5、πK原子寿命測定の統計精度向上とππ原子の準安定励起2P状態のLamb Shift測定準備のためにCERNの実験採択委員会にAddendumを提出した.これが認められれば2011年はlamb Shiftの測定用ビームラインの改造を行う.そのためLambShift測定用の永久磁石による磁場発生装置の設計及び標的周りの改造設計の検討に入った.
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