2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340060
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松木 征史 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (50037941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 義明 立命館大学, 理工学部, 教授 (40224993)
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Keywords | 宇宙物理 / 量子物理 / カシミア効果 / リドベルグ原子 |
Research Abstract |
空胴の壁を振動させると実の光子が生成されるという動的カシミア効果を、実験的に検証する為の実験装置を設計・建設した。本実験では、冷却したマイクロ波共振空胴の壁を実効的にマイクロ波領域の振動数で振動させる。この振動の結果、生成されると予想されるマイクロ波光子を、空胴中に導入したリドベルグ原子により吸収し、空胴通過後にイオン化して検出する。冷却はパルスチューブと希釈冷凍機を用いるが、100mK領域までの冷却達成を目的としている。この為、極低温まで冷却出来るクライオスタットを製作し、パルスチューブと希釈冷凍機を内部に設置して、寒剤無しで冷却できるシステムを製作した。空胴壁の振動は、空胴中に置いた半導体薄膜をパルスレーザーで照射し、伝導帯に電子を励起してマイクロ波を反射させることで、実効的に壁の振動を誘起する。薄膜は空胴の中央に置くのが最適であることを、理論数値計算で確認している(Phys.Rev. A80 (2009) 043835, ibid., A83 (2011) 013819)。今年度までで、クライオスタットと関連する低温実験機器・レーザー系、超電導ニオブ材によるマイクロ波共振空胴などを製作・設置した。リドベルグ原子励起用として、2段階のダイオードレーザー励起系を構築し、また電子励起用のパルスレーザー系を整備した。現在、実験装置全体を組み立てて、真空システム、冷却システム、レーザー系について、それぞれテストを行っており、今後全系を動作させて、当初の目的達成を目指して装置を運転・実験を行う予定である。
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Research Products
(2 results)