2008 Fiscal Year Annual Research Report
精密解析による多重ボソン生成を伴うヒッグス物理の研究
Project/Area Number |
20340063
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
栗原 良将 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50195559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 順平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (90202291)
金子 敏明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40177522)
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
津野 総司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30451834)
東城 順治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (70360592)
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Keywords | 素粒子実験 / 素粒子理論 / 加速器 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成20年より、CERN(欧州合同原子核研究機構)において世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器であるLHC(Large Hadron Collider)が運転を開始する予定であったが、事故のため約1年実験開始は延期となった。そのため、平成20年度は来るべきデータ解析のための準備の年となった。本研究においては、実験データの解析のための強い相互作用の高次補正を含む、イベント・ジェメレータの作成を行った。ターゲットの散乱過程を、ヒッグス粒子の探索の主なバックグランドとなる、2光子生成過程に決め、必要な散乱振幅・ループ補正計算ルーチン・整合性をもったジェット生成のための差し引き法の確立、等の研究を行った。その結果、2光子生成過程におけるイベント生成プログラムの主要な部分を完成させることができた。 また、ヒッグス物理学とも密接に関連する超対称性理論に基づく散乱断面積、および粒子崩壊幅の輻射補正の自動計算のためのシステム開発を行い、電弱相互作用についてはほぼ自動化が完了した。引き続き、強い相互作用に関する高次補正を計算システムを開発している。これは、LHC実験におけるヒッグス物理ための輻射補正の計算にも利用可能であり、基本的なツールの開発をほぼ終えることができた。 また、そのイベント生成プログラムをアトラス実験グループの解析に利用できる標準的なデータとして、イベントの情報を磁気ディスク上に保存する試験を行った。その結果、本研究で作成されたイベント生成プログラムが、アトラス実験において利用可能であることが、実証された。
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Research Products
(5 results)