2009 Fiscal Year Annual Research Report
精密解析による多重ボソン生成を伴うヒッグス物理の研究
Project/Area Number |
20340063
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
栗原 良將 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50195559)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 順平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (90202291)
金子 敏明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40177522)
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
津野 総司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30451834)
東城 順治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (70360592)
|
Keywords | 素粒子実験 / 素粒子理論 / 加速器 / イベント・ジェネレータ |
Research Abstract |
本研究の目的の一つは、LHC実験におけるヒッグス粒子探索のデータ解析に必要な、イベントジェネレータを作成することであるが、平成21年度においては、ヒッグス粒子探索の最大のバックグランドとなる2光子生成反応に対して、「フラグメント・効果」と呼ばれるものについて、研究を行った。従来の方法では、フラグメント効果は、実験データをフィッティングすることにより得られる、「破砕関数」をもちいて評価されていた。しかし、この方法では粒子のハドロン化との両立ができなかった。それに対して、パートンシャワー法にフラグメント効果をいれる新しい方法を開発した。これにより、ハドロン化に対応可能となった。これは、実験と直接比較できるイベントジェネレータの作成に対して、重要な進展となる。パートンシャワーに、フラグメント効果を入れる方法にはいくつかの可能性があるので、それらを比較し、破砕関数の方法と同等な結果が、より使いやすい形式で生成できる方法を調べた。結果として得られた、最良の方法を、GR@PPAと呼ばれる本研究グループにより開発中のイベントジェネレータ・システムに組み込む作業を行った。これにより、実験研究者に利用可能なシステムの構築が前進した。 また、ヒッグス物理とも関連の深い超対称性粒子のさまざまな性質を研究するためのシステムの開発も行った。超対称性粒子の崩壊幅について、輻射補正を自動的に計算するシステムを開発し、多くの主要な崩壊過程について、崩壊幅の輻射補正を計算した。これにより、LHC実験におけるヒッグス物理と、それを超えるモデルの探索に重要な情報をお与えることができる。
|
Research Products
(5 results)