2008 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー回収型リニアックのための超伝導空洞の基礎研究
Project/Area Number |
20340066
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
古屋 貴章 High Energy Accelerator Research Organization, 加速器研究施設, 教授 (70156975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅森 健成 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (60353364)
飛山 真理 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (60207595)
高橋 毅 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 技師 (90391747)
尾崎 俊幸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (60169282)
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Keywords | 超伝導空洞 / エネルギー回収型リニアック / CW型超伝導空洞 |
Research Abstract |
大電流電子ビームを加速するエネルギー回収型リニアックを実現するために開発を要する構成要素には、エネルギー効率の良い超伝導加速空洞本体、高周波電力を供給するための入力結合器、加速ビーム自身が作る有害高調波を吸収減衰させるための高調波減衰器、およびこれらを収容するためのクライオスタットがある。研究1年目の主な研究成果は以下の通りである。 ・提案する加速効率の良い9連型空洞の性能計測をし、17MV/mという高い加速電場を得た。この結果、本課題で採用する空洞の基本形状が決定した。 ・加速電場を制限しているのは空洞内に発生している強い電子放出現象であり、より高い電場を得るためにはその放出源を特定し処置する必要がある。その手段として空洞壁に衝突する電子が発生するX線を検出するための空洞診断システムを考え、それを完成させた。次年度からはこれを用いた診断を開始する。 ・本空洞は9セル構造であり、他の研究所が採用している5連型、7連型に比べ空間の効率が良い反面、高調波の取り出しが難しくなるが、口径が大きいビームパイプと高調波減衰器を組み合わせることでそれを補っている。モデルを用いた高調波の計測では、計算通りに減衰させることができることが判明した。 ・高調波減衰器は80Kで運転されるため、80Kでの高周波吸収特性が優れた吸収材を探す必要である。そのため80Kでの吸収特性を計測する手法を完成し、数種類のフェライトとセラミックの特性を計測・比較した。その結果、TDK社の新IB004が低温領域でも15GHz以上の周波数範囲にわたって優れた吸収特性を示すことが判明したため、これを採用することにした。 ・新IB004の場合は、必要な吸収体は厚さ2mm、長さ80mm程度の円筒形であることが分かった。これを銅パイプ内面に完全に焼成・接合させる方法としてHIP法を採用、その施工試験を実施し、最適施工条件を決定した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
Takaaki Furuya
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Journal Title
Reviews of Accelerator Science and Technology Volume 1(World Scientific)
Pages: 211-235
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