2008 Fiscal Year Annual Research Report
秒速10km超での固体衝突実験と惑星大気形成過程への応用
Project/Area Number |
20340128
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
門野 敏彦 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (60359198)
|
Keywords | 隕石衝突 / 惑星大気 / 衝突蒸発 / 秒速10km超 / 高出力レーザー / 弾丸加速 / X線ストリークメラ / X線フレーミングカメラ |
Research Abstract |
今年度は高出力レーザーによる弾丸加速技術の開発を主に行った.まずはもっとも単純な加速方法である,飛翔体に直接レーザーを照射する方法を試した.サイズとして0.1-0.4mmのガラス及びアルミニウムの球または円柱をプロジェクタイルとして用いた. レーザーは大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの激光XII号-HIPERを使用した.レーザー条件は波長1054nmの基本波,パルス幅20ns,集光径〜100から200μmφ,エネルギーは数百Jから数kJの範囲で変えた. プロジェクタイルの速度計測はX線ストリーク及びプレーミングカメラによる画像から算出した.フレーミングカメラの画像から飛行中のプロジェクタイルの形状なども観察することが出来た.X線は激光XII号の2本のビームを銅または亜鉛板に照射して発生させた. 0.1-0.3mmのプロジェクタイルでは秒速10kmを越える速度が観測された.最高は0.1mmのアルミニウム球が秒速60kmにまで加速された,フレーミングカメラの画像からは球はその形を保っているように見えた.レーザーエネルギーを増やすと速度も上がるが,現状ではばらつきが大きくおそらくレーザーを集光する精度のばらつきが一つの原因ではないかと思われる. 今後はプロジェクタイルの進行方向にターゲットを設置し,クレーターの回収,また二次ターゲットの設置・回収により,クレーターから放出された破片の分布なども調べていく予定である.また,レーザー直接照射によるプロジェクタイルのダメージを軽減するために間接的な加速方法,たとえばプロジェクタイルから離れた位置に設置した燃料にまずレーザーを照射し,そのガスにより加速する方法を考えている.更に,クレーター形成実験ではターゲットの裏面が衝撃波により飛び出す速度を計測し,ターゲットの厚さを変えた実験から衝撃波減衰の計測を開始する. 衝撃波減衰の計測に必要な備品は今年度中に購入・納品されており来年度の計測に向けて光学系を構築中である.
|
Research Products
(11 results)