2011 Fiscal Year Annual Research Report
秒速10km超での固体衝突実験と惑星大気形成過程への応用
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20340128
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
門野 敏彦 産業医科大学, 医学部, 教授 (60359198)
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Keywords | 秒速10km以上 / 衝突 / レーザー / 蒸発 / クレーター / 破片 |
Research Abstract |
これまでに高出力レーザー:激光XII号を用いて弾丸および平板飛翔体の加速実験を行い,秒速10km以上の速度が得られている.当該年度には,さらに様々な材質・サイズの飛翔体を用いて実験を行い,より広いパラメータでマクロ飛翔体を秒速10km以上への加速ができることを確認した. この技術を用いて衝突実験を行った.主な内容は以下の通りである.(1)衝突による蒸発.秒速10km以上に加速された平板および弾丸飛翔体を岩石試料に衝突させ、発生した蒸気を分光器および質量分析計によて分析する.分光器は時間分解が可能であり,衝突による衝撃波通過後の高温・高圧状態での物質の状態方程式,また,蒸気内の原子・分子・イオンの時間変化,さらに最終生成ガス組成を得ることが出来た.これにより、生物大量絶滅事件など,衝突により発生する蒸気がもたらす様々な地球惑星科学的な現象についての理解が著しく進んだ.(2)衝突クレーター.衝突の結果でもっとも基本的な物理量はクレーターサイズ(直径と深さ)である.これまで天体衝突によってできるクレーターサイズの推定は秒速10km以下での実験を基に作られたスケーリング則を使ってなされていたが、今回,現実の衝突速度での実験が可能になり,より確固たるスケーリング則の確立がなされた.また,クレーター底より内部での物質の状況も調べられており,蒸気・溶融物の量,クレーター深さを決定するため不可欠な、秒速10km以上での衝突で発生する衝撃波の減衰率を知ること可能となった.(3)放出破片.衝突で放出される破片のサイズ分布が調べられている.秒速10km以下の場合と比較すると分布に違いが見られた.これは太陽系内の塵のサイズ分布と直接関係しており,今後天体観測などにより系外惑星の塵サイズ分布からその場での衝突状態などを推定することが可能となるだろう.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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