2011 Fiscal Year Annual Research Report
太陽紫外線とオゾン変化の力学的上下結合と気候変動に果たす役割の解明
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20340131
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
黒田 友二 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (80343888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 邦彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 客員教授 (70343887)
柴田 清孝 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 室長 (50354494)
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Keywords | 太陽紫外線 / 成層圏 / オゾン / 力学的上下結合 / 環状モード / 極夜ジェット振動 / 子午面循環 / 熱帯対流活動 |
Research Abstract |
紫外線強度のみを、観測された太陽活動の低い状態(LS)、高い状態(HS)、さらにHSに対してLSとの比だけさらに紫外線強度を強めた状態(US)3通りに固定して、気象研究所の化学気候モデルの42年のランを実行し、紫外線強度変化が南半球環状モードに与える影響およびそのメカニズム解明の解析を行った。モデルは紫外線強度が強い場合ほど極渦崩壊期である12月の成層圏環状モードと対流圏環状モードの相関が高くなることが分かった。そこで12月の成層圏環状モード指数に対してのラグ回帰解析を行ったところ、10月では紫外線強度に関わらず全てのランで極渦が強い状態であるが、各ランで時間発展の仕方が異なり、紫外線が強いランほど極渦の極向き下向きの変動である極夜ジェット振動(PJO)が卓越し12月には対流圏から成層圏まで伸びた極渦ができやすいことが分かった。このことは各ランでほぼ同じであった10月の卓越変動(12月のラグ回帰で得られた変動とほぼ同じモード)の指数を基にしたラグ回帰解析でも確かめられた。さらに紫外線が強いランほどPJOが卓越する理由を調べるため各フォーシングの帯状風加速に与える影響を調べたところ、紫外線強化ランほど波加速が強まり波平均流相互作用が強くなるということが原因であることが分かった。また、成層圏オゾンの化学過程を含む化学・気候モデルのシミュレーションや解析を行った。太陽の活動を現実的に与え紫外線を11年周期で変化させたランと最大に固定したランを40年間について比較したところ、太陽の最大活動の影響は熱帯では両者の影響は小さく、温度やオゾンには同様に上部成層圏と下部成層圏に極大値が現れたが、北半球冬期の中高緯度成層圏では帯状平均東西風の季節変化に差が見られた。
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Research Products
(11 results)