2010 Fiscal Year Annual Research Report
連続カチオン環化による多環式芳香族化合物の系統的合成法
Project/Area Number |
20350016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
市川 淳士 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70184611)
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Keywords | カルボカチオン / フルオロアルケン / Friedel-Crafts反応 / 縮合環 / S_N2'型反応 / ヘリセン / 分子内環化 / 脱水素 |
Research Abstract |
フッ素置換基は、フッ化物イオンとしての脱離能を有すると共に、α-カチオン安定化効果も有している。これらの性質を併せて利用すると、各種フルオロアルケン類からα-フルオロカルボカチオン種を容易に発生させることができ、これを経由するタンデム環化やドミノ環化が進行すると期待できる。こうした反応により、高次ヘリセンなど種々のヘリセン・アセン類およびそれらのフッ素置換体を合成できることになる。本年度は、1,1-ジフルオロ-1,3-アルカジエンのドミノカチオン環化反応を検討した。 上述のフッ素置換基の性質を利用し、既に1,1-ジフルオロ-1-アルケンの分子内Friedel-Crafts環化によりに縮合環化合物を合成していたが、電子不足のジフルオロアルケンを直接プロトン化するのに超強酸FSO_3H・SbF_5を必要とした。そこで、プロトン化し易い共役オレフィン部を導入することにより、穏和な条件下で同様の連続環化を達成し、ヘリセン類を始めとする縮合環系を構築した。環化の基質として、3位にフェニル基、ベンジル基、あるいは2位にフェネチル基を有する1,1-ジフルオロ-1,3-ジエンを選び、2,2,2-トリフルオロエチルトシラートから調製した。このジエンに、ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)溶媒中で種々のプロトン酸を作用させたところ、予期したようにスルホン酸でも充分環化が進行し、インデノン誘導体、ナフトール誘導体、テトラロン誘導体を収率良く与えた。アリール基を二つ有するジフルオロジエンではドミノ環化が進行し、最後に脱HFを伴って四環式縮合環を一挙に構築できた。これは、脱水素により[4]ヘリセンへと変換することもできた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Rapid and Slow Generation of 1-Trifluoromethylvinyllithium : Syntheses and Applications of CF, -Containing Allylic Alcohols, Allylic Amines, and Vinyl Ketones2010
Author(s)
Nadano, R., Fuchibe, K., Ikeda, M.,Takahashi, H., Ichikawa, J.
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Journal Title
Chemistry-Asian Journal
Volume: 5
Pages: 1875-1883
Peer Reviewed
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