2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360110
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
工藤 謙一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (90250232)
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Keywords | 生物・生体工学 / 生体生命情報工学 / 知能機械 / バイオ関連機械 |
Research Abstract |
本研究は,極低温の極限環境を利用して,卵細胞などの単一細胞を凍結状態で操作(顕微授精,核移植操作などにおいて,マイクロドリル等を用いて機械加工で細胞への穴開けを行う)や液体窒素中でのハンドリングなどを可能にする極低温細胞操作システムの開発を目的としている.平成21年度は下記の研究開発を行い下記に示す知見を得た. 1.凍結細胞への微細な穴開けに関する基礎研究 ・凍結細胞操作装置の製作 極低温状態における細胞や生体組織に対して,操作,加工,観察などを行い,冷却機能,試料スライス機構,精密位置決め機構,及び今後予定される作業に対応可能な拡張スペースを有する「凍結細胞操作装置」を試作した. 本装置は,倒立顕微鏡に電動マニピュレータを装備し,マニピュレータ先端には高速スピンドルを取り付け,マイクロドリルやマイクロエンドミルを用いて微細な生体への穴開けを可能にした.この試作機には,ミクロトームの刃を利用したマイクロスライサやマイクロエンドミルを用いて凍結した卵細胞の周りに存在する包埋剤,凍結培養液,試料表面の霜などをそぎ落とす装置を付加した. 2.稚魚を対象とした穿孔装置の試作 ・昨年度製作したインジェクション装置を用いて,フグを試料として実験を行った.駆動印加電圧パターンを工夫することにより,始原生殖細胞の腹腔へのインジェクションが効率よく可能なことを確認した.また,手動操作よりもインジェクションの成功率が高いことを確認した.
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