2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジオテキスタイル補強盛土を活用した新形式高耐震橋梁
Project/Area Number |
20360215
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
龍岡 文夫 Tokyo University of Science, 理工学部・土木工学科, 教授 (70111565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 良道 東京理科大学, 理工学部・土木工学科, 准教授 (50253505)
清田 隆 東京理科大学, 理工学部・土木工学科, 助教 (70431814)
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Keywords | 新形式一体橋梁 / ジオシンセティックス補強盛土 / 地震時安定性 / 振動台実験 / 模型実験 / 橋桁の温度伸縮 / 盛土の受働土圧 / 盛土の主働崩壊 |
Research Abstract |
「新橋梁形式であるジオシンセティックス補強土盛土(geosynthetic-reinforced soil)と一体橋梁と統合したGRS一体橋梁」の設計法の基本概念の確立と施工法の提案のために、GRS一体橋梁のとともに従来式橋梁、従来式一体橋梁、GRS擁壁橋梁の模型を用いた室内での静的繰返し載荷実験と振動台実験を行った。以下の成果を得た。1)年温度変化に伴う橋桁の伸縮による橋台(壁面工)の上端での繰返し水平変位載荷に対して、GRS一体橋梁は最も小さい変形特性(特に盛土の残留沈下特性)を示した。また、壁面工背面の土圧増加に対しても、壁面工は多支点連続梁構造として抵抗して損傷を受けない。一方、このような繰返し載荷を受けるがジオシンセティックスで盛土を補強しない従来型一体橋梁では、本研究によって始めて明らかになったDual ratchet現象により土圧が増加し盛土が主働崩壊する。2)GRS一体橋梁の橋桁・橋台構造体とジオシンセティックス補強盛土の地震時の主要な崩壊モードは、壁面工上部が盛土を押し込み盛土を受動破壊させるため壁面工が回転し、壁面工の下部が前方に主働変位をすることであり、それに対して壁面工背面に結合したジオシンセティックス補強材は有効に抵抗する。3)GRS一体橋梁は、長期交通荷重に対しても最も小さい橋台裏盛土の長期残留沈下特性を示す。4)上記の静的載荷と動的載荷によるGRS一体橋梁の盛土の変形と地震時安定性に影響を及ぼす主要な要因は、盛土の締固め度と変形強度特性、ジオシンセティックス補強材の引張り変形強度特性と引き抜け抵抗特性、橋台(壁面工)下端での基礎構造物の水平及び鉛直支持条件、橋桁の素材と長さ(温度伸縮と重量)、橋台の高さ、支持地盤特性、橋桁と橋台(壁面工)の結合度、である。以上要するに、提案するGRS一体橋梁は、従来橋梁形式と比較すると、常時・地震時の安定性とともに施工性・建設コスト・維持管理性にも優れている。
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