2010 Fiscal Year Annual Research Report
ローカルリモートセンシングによる浅海域海象計測と海底地形・流体運動相互作用の解明
Project/Area Number |
20360221
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出口 一郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00029323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 信義 神戸大学, 海事科学部, 教授 (90234690)
荒木 進歩 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80324804)
有田 守 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80378257)
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Keywords | 離岸流 / 画像処理 / 平均海面 / 海面反射信号 / GPSアレーアンテナ |
Research Abstract |
出口・荒木・有田は、鳥取県浦富海岸で台風通過前後の海浜変形(D-GPSによる相対測位)と海浜流系(圧力センサーと電磁流速計、および高さ15mの櫓上の2台と上空150mに係留した飛行船搭載のビデオカメラによる)の計測結果に基づき、浅海域の波・流・海浜変形の相互作用の解析を行った。この期間、水深10mの位置で計測された入射波高は、台風の通過に伴い0.5mから2.5mに急激に増加し、その後0.8m程度に減少した。 上空からのビデオ画像の平均輝度値から水深の推定を試みたが、砕波率が0.4以下の場合は誤差の絶対値が0.15m以内の精度で予測が可能であるが、砕波率が50%以上の場合推定制度は落ちることが分かった。台風来襲時のビデオ画像から対象領域の輝度値のtime-stack画像を作成し遡上波先端位置の時系列、最高遡上位置と海浜変形の関係を検討したが、最高遡上点からswash zone最下端での水深変化は顕著ではなく、主な水深変化は0.5m以深で生じていることが分かった。また、ステレオ画像法により海面の3次元形状の計測手法を開発し、櫓上で2台のビデオカメラで撮影された画像の解析から海面平面形状の計測を試みたが、水位計で計測された海面変動と比較して10%以内の誤差で計測を行うことができた。この結果を用いて離岸流発生地点の平均水位の計測を行った結果、離岸流が沖側に加速する地点では、周辺海域よりも平均水位が上昇していることも明らかになった。 河口は、GPSブイによる方法およびGPSアレーアンテナによる方法による波浪情報の収集を担当した。GPSブイを用いる方法では、GPS受信機を装備したブイを浅海域に係留して、K-GPSにより三次元方向の精密移動量,精密速度情報GPSにより三次元方向の移動速度を計測し、ブイの移動を水粒子運動に置き換えることで、精密な波高および波向きに関する推定法を検討した。本推定法の有効性を実験的に検討するため、日本近海への台風接近時に淡路島南岸において実施した実験結果から、本推定法によってローカル海域における波浪情報が可能であることを示した。
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Research Products
(5 results)