2010 Fiscal Year Annual Research Report
低炭素型都市実現のための都市計画手法の適用と効果解析
Project/Area Number |
20360237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 美貴 千葉大学, 工学研究科, 准教授 (00291352)
荒巻 俊也 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (90282673)
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Keywords | 都市計画 / バイオマス / コンパクト都市 / 都市縮減 / 海外調査 / 容積率移転 / 再生可能エネルギー / 住民選好 |
Research Abstract |
都市のコンパクト化を誘導した場合の、余剰地や遊休農地の有効利用法の検討と、それに関する住民意識をいわき市、浜松市、福山市の住民を対象にその選好を調査した。調査の結果、余剰地(都市の周縁部)を緑地とし、人口密集地帯から離れた場所(遊休農地)に大規模な発電システムをおくシステムの支持が大きく、余剰地と遊休農地の利用法は単一でない方がよいこと、ある程度の発電力はやはり魅力であることが明らかになった。(花木・荒巻) コンパクト都市形成のために必要な住民の移転に関して宇都宮市を対象にして社会調査を行った。人びとの選好は多様であるが、それらを(1)日常利便重視型、(2)戸建持家・住宅スペース重視型、(3)平均型、(4)無考慮型、(5)集住賃貸・住宅スペース重視型、(6)等重視型、に分類することができた。住民の多様なニーズに対応していくために、一極集中ではなく、それぞれに特徴のある多心型の都市構造を目指す必要があり、ネットワーク型コンパクトシティを目指す宇都宮市は各住民の選好に適した居住地域を整備していくことが可能である(花木・荒巻)。 東京都での容積移転に伴うCO2削減方策の検討を行う際に必要となる諸条件と価格についての検討を行った。容積率の上昇を非常に大きく設定すると発生交通量が過大になるため、現行の容積増加の最高限度と同等規模の獲得を条件に設定しても、都心と郊外の地価の相違から郊外の大規模未利用地の開発を未然に防げることが可能と推計できた。また、開発自由を認めるとどの程度のCO2が将来発生するかは、オレゴン州を対象に開発と日々の自動車利用のもたらす影響を算出し、集約型都市構造のもたらす効果を提示した。さらに、地方都市での都市構造の課題を富山市、青森市を対象に検討すると、米国と類似した結果が得られ、日本でも集約型都市構造が、特に高齢化社会の中ではきわめて重要であることを提示することができた。(村木)
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