2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポーラスコンクリートの3次元幾何学モデルの構築と設計・施工システムへの応用
Project/Area Number |
20360251
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑中 重光 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00183088)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 直生 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30335145)
|
Keywords | ポーラスコンクリート / 圧縮強度 / 空隙率 / 締固めエネルギ / 敷き均し機 / 幾何学モデル / 熱膨張係数 / 乾燥収縮率 |
Research Abstract |
研究最終年度における本年度の研究成果の概要は以下の通りである。 (1)ポーラスコンクリートの幾何学モデルおよび汎用的な理論体系の構築 前年度までに、強度および揚水に関する幾何学モデルを構築した。本年度は、ポーラスコンクリートの体積変化特性に関するモデルの構築を試みた。その結果、粒子の配列によらない、全く新しい考え方に基づく体積変化モデルを提案した。同モデルによれば、骨材粒形や粒度分布などの不確定な要素を表す係数を調合条件や使用材料によらない定数を定めることにより、乾燥収縮および熱膨張に関する体積変化量を精度良く推定することができた。ただし、現状では強度、揚水、体積変化の各モデルを統一的に表すことのできるモデルを構築するには至っておらず、今後も継続して研究を進める予定である。 (2)ポーラスコンクリートの設計・施工システムの確立 施工方法に関しては、前年度までに開発したポーラスコンクリート敷均し機および仕上げ機を用いた実施工実験を行い、その有効性と現状に残された問題点を把握した。現時点では、仕上げ機による締固めの程度の予測および制御が不可能であったため、振動エネルギーによる制御手法に関して検討を行った。その結果、起振力や自重の異なる仕上げ機を用いた場合にも、ある程度の精度で振動エネルギによる締め固め程度の制御が可能であることを示した。それ以外に、養生湿度がポーラスコンクリートの強度に与える影響から適切な初期養生条件を明らかにし、実施工における品質管理・評価手法として、コア抜きによる正確な評価の必要性に関する提案も行った。最後に、以上の結果を取りまとめ、ポーラスコンクリートの施工標準(案)の作成を行った。
|