2010 Fiscal Year Annual Research Report
世界遺産候補五島列島の文化的景観と住生活の調和・保全ネットワーク形成に関する研究
Project/Area Number |
20360281
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
細田 亜津子 長崎国際大学, 人間社会学部, 教授 (50331046)
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Keywords | 世界遺産 / 五島列島の教会 / 地域ネットワーク / 景観保全 / 世代継承 |
Research Abstract |
世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の一資産である五島列島は高齢化と過疎化が進んでいる。世界遺産登録後に予想される島外からの交流人口の増加とともに遺産と景観の悪化がある。離島の地域振興が進むと同時に遺産と景観を保護保存していく必要がある。これをみすえて、これまで不足していた島々と地域、人々のネットワークを作る重要性が20,21年度の本研究で明確になった。22年度は21年度で作ってきた地域のネットワークを継続し、老若男女が遺産の保護を共に担っていく機会をつくり、22年度も異分野(宗教、産業、年齢、男女、業種など)を超えた交流とイベントを行った。この異分野交流を継続したことで、世界遺産保護の大切なこと、先祖から作り上げてきた地域の景観を保全することは地元の異分野の人たちが自主的に考えなければならない事が認識された。五島でのイベントは「ここで暮らしたい」をテーマに様々な意見交換が可能になり、小規模ながら企業を起こし将来につなげていく機会ともなった。 21年度に行った子供たちを中心とする映画会は将来を担う子供たちの存在を共有でき22年度青砂ヶ浦教会献堂イベントでの参加と交流ができた。この経験は、23年度以後に地域の人々の手によって継続されていく予定である。 今年度は下五島の教会を中心とする航空写真撮影を行った。これによって教会を中心にした、人々の生活と景観の美しさを再認識することが可能になった。また、人々の生活はいかに海との関係が深いかも客観的に証明することができた。この成果とともに、五島列島において、これまでできなかった異分野の人たちが島の将来を考える場に会したことは実質的で将来的な島の地域づくりの可能性に寄与したことになる。
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Research Products
(2 results)