2008 Fiscal Year Annual Research Report
多槽循環式塩化カルシウム浴酸化物直接還元による高清浄度チタンの製造
Project/Area Number |
20360341
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (80179275)
|
Keywords | 金属生産工学 / チタン / 溶融塩 / 複合酸化物 / 反応・分離工学 / 雷気化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は難還元性の安定酸化物TiO_2から、直接に酸素濃度100mass ppm炭素濃度100ppm以下の高清浄Ti金属を連続的に製造することである。従来提案の溶融CaCl_2を用いた酸化物直接還元・電解再生型製造法(以下OS法と称する)に加え、新提案の炭素汚染のないZrO_2酸素吸収陽極脱酸素法と、既報の二種の脱酸法等とを直列多槽式で連結し、溶融CaCl_2の流れと段階的な酸素除去により、Tiの還元のみならず、Tiの脱酸と各種濃度の副生成物CaOの再生を一貫して行う究極的なCa還元・脱酸プロセスの完成を目指している。 本年度はその第一歩として、酸化物の還元初期段階を検討した。従来は、直接還元のみで低酸素濃度実現を目標としてきたため、本研究では新たなる最適条件設定が必要であった。出発原料にTiO_2の他、Ti_2O_3やTiO、中間生成物のCaTiO_3等を用いて、溶融塩中の炭素陽極と陰極問の極間電圧を還元度(酸素濃度)と通電量の関数として最適に定めた。Mo製網状陰極の使用が好ましいが入手が困難であることがわかりTi製網状電極を用いたが問題はなかった。強い還元を行わないことから熱力学的にMgOも安定して存在することができるので、るつぼなど耐火材として緻密質MgOが利用できることがわかった。 出発原料にTiO_2およびTi_2O_3を用いた場合に中間生成物としてTi_2O_3やTiOの他、CaTiO_3等とCaTi_2O_4が生成することがわかった。CaOとの複合酸化物の存在はOS法の原理を裏付けている。また、新たに発見したCaTi_2O_4の生成はTi-Ca-O系の低酸素分圧下における相平衡を詳細に検討すべきことを示しており、CaTi_2O_4の生成を試みたが、CaCl2共存下でないと生成しないことがわかった。
|
Research Products
(20 results)