2009 Fiscal Year Annual Research Report
多槽循環式塩化カルシウム浴酸化物直接還元による高清浄度チタンの製造
Project/Area Number |
20360341
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (80179275)
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Keywords | 金属生産工学 / 溶融塩 / チタン / 反応・分離工学 / 電気化学 / 複合酸化物 |
Research Abstract |
本研究の目的は難還元性の安定酸化物TiO_2から、直接に酸素濃度100mass ppmでかつ炭素濃度100ppm以下の高清浄Ti金属を連続的に製造することである。従来提案の溶融CaCl_2を用いた酸化物直接還元・電解再生型製造法(以下OS法と称する)に加え、新提案の炭素汚染のないZrO_2酸素吸収陽極脱酸素法と、既報の二種の脱酸法等とを直列多槽式で連結し、溶融CaCl_2の流れと段階的な酸素除去により、Tiの還元のみならず、Tiの脱酸と各種濃度の副生成物CaOの再生を一貫して行う究極的なCa還元・脱酸プロセスの完成を目指している。 本年度は酸化物の還元初期段階を検討した。出発原料としてTiO_2の他、Ti_2O_3やTiO、中間生成物のCaTiO_3等を用いて、溶融塩中の炭素陽極と陰極間の極間電圧を固定し、還元度の指標として酸素濃度を取り、通電量の関数として調査した。出発原料にTiO_2およびTi_2O_3を用いた場合に中間生成物としてTi_2O_3やTiOの他、CaTiO_3等とCaTi_2O_4が生成することがわかった。 理論的に還元に必要なCaを析出させるに必要な電気量Q_0の5倍を通電すると酸素濃度0.7%の試料を得たが、同一条件でもTiOを出発とすると酸素濃度が10%と高い値にとどまった。走査電子顕微鏡で試料表面を分析するなどにより、表面に生成する緻密なTi皮膜が酸素拡散を妨げていることが判った。このような緻密なTiを生成しないような条件を今後検討する必要がある。 なお、新たに発見したCaTi_2O_4の生成はTi-Ca-O系の低酸素分圧下における相平衡を詳細に検討したところ,CaCl_2共存の場合、CaTi_2O_4の生成速度は極めて早いが,CaCl_2が共存しなくとも生成することを確認した。この相の生成と還元過程での利用が低酸素化に有効になるかもしれない。
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Research Products
(16 results)