2011 Fiscal Year Annual Research Report
多槽循環式塩化カルシウム浴酸化物直接還元による高清浄度チタンの製造
Project/Area Number |
20360341
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80179275)
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Keywords | 金属生産工学 / 溶融塩 / チタン / 反応・分離工学 / 電気化学 / 複合酸化物 |
Research Abstract |
本研究の目的は難還元性の酸化物TiO2から、直接に酸素濃度100mass ppmでかつ炭素濃度100ppm以下の高清浄Ti金属を連続的に製造することである。溶融CaCl2を用いた酸化物直接還元・電解再生型製造法(以下OS法と称する)に加え、新提案の炭素汚染のないZrO2酸素吸収陽極脱酸素法と、既報の二種の脱酸法等とを直列多槽式で連結し、溶融CaCl2の流れと段階的な酸素除去によりTiの還元脱酸と副生成物CaOの再生を一貫して行うCa還元・脱酸プロセスの完成を目指している。 昨年度に引き続き酸化物の還元初期段階を検討した。原料TiO2の他、中間生成物CaTiO3等を用いて、溶融塩中の極間電圧を固定し酸素濃度を通電量の関数として調査した。CaTiO3を用いた場合には表面にTiが析出して粒子を覆い低酸素化が困難であった。一方、TiO2からの還元の中間生成物TiOを還元した場合は、酸素の拡散が遅い極めて緻密なTi層が形成されるため、酸素濃度の低減がより一層遅くなった。TiO2からの還元ルートを総合すると、CaTiO3が一部生成するが、高い電流密度を与えて多孔質粒子である還元中間生成物を一旦つくり、次いで溶融塩を入れ替え、TiOが緻密化することなく短時間でTiに還元する、少なくとも2段の工程で還元を行うことが最善であると分った。 また高速還元には広い陽極面積が望ましく、陰極電流密度の上昇と共に還元速度が向上した。 一方、ZrO2酸素吸収陽極は炭素汚染を与えない点で望ましいが、低温ではイオン伝導性が小さくなる。酸素イオン伝導体として最近知られるようになったLaNiMnGaOx系酸化物を合成してCaCl2に対する耐性を確認し、イオン伝導性陽極膜として実験室の調査時間内では良好な特性を示した。その他、CaCl2溶融塩の還元能力を種々の酸化物で検討した。更に陽極で発生する二酸化炭素及びそれが還元された炭素について貴重なデータが集積された。
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Research Products
(22 results)