2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360399
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
田口 晴邦 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 上席研究員 (70344455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 博史 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 主任研究員 (80470053)
北川 泰士 独立行政法人海上技術安全研究所, 流体性能評価系, 研究員 (50579852)
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Keywords | 船舶工学 / 海上安全 / 損傷時復原性 / 流体 |
Research Abstract |
1. 概要 損傷船舶の転覆につながる波浪中の挙動に大きな影響を及ぼす船内滞留水と船体との連成運動の数値シミュレーションコードを開発するとともに、船内滞留水の隣接区画への浸水過程モデルの多層区画船への拡張を検討するため水槽実験を実施した。 2. 船内滞留水と船体との連成運動シミュレーション 浸水区画の左右非対称性のため船内滞留水により定常傾斜が発生するとともに、滞留水の運動が船体の横揺運動と連成した状態について、規則波中のシミュレーション計算コードを開発し、漁船を対象に滞留水の連成影響が横揺振幅に及ぼす影響を調査した。その結果、(1)波周期と横揺固有周期の比が0.9~1.5の範囲で、滞留水の運動が減揺効果を示し滞留水量の増加に伴い横揺振幅が小さくなること、(2)滞留水量の増加に伴い、応答がピークとなる波周期と横揺固有周期比が小さくなることなどが明らかになった。 3. 多層区画船の船内滞留水の浸水過程モデル 舷側に開口(損傷開口)を設けるとともに内部に仕切り及び開口を設けることで損傷区画(船尾・船首右区画)や損傷区画に隣接した2層の非損傷区画(船首左区画、下層区画)を簡易な形状で模擬した模型船を用い、平水中及び波浪中で各区画の浸水量、船体姿勢等を計測する水槽実験を実施し、船体姿勢変化や滞留水の運動が多層区画船の船内滞留水の下層区画への浸水過程モデルを構成する諸量(下層区画への開口位置の水位、下層区画の滞留水の進展速度等)に及ぼす影響を検討した。その結果、(1)下層区画への開口がある区画の水位は船体姿勢及び滞留水の運動により大きく変化するため、時々刻々の船体及び滞留水の連成運動の正確な推定が重要であること、(2)有意な滞留水が下層区画へ流下する状況では、浸水は一気に進展するので、滞留水は区画内に直ちに広がるとした取り扱いは妥当であることなど、多層区画の場合の浸水過程の適切なモデルに関する知見が得られた。
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