2009 Fiscal Year Annual Research Report
中心体とM期の連動を制御するキナーゼ複合体の機能解析
Project/Area Number |
20370081
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪田 紀一 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (10343245)
奧崎 大介 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (00346131)
内藤 陽子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (10553026)
|
Keywords | 細胞周期 / 中心体 / 紡錘体形成チェックポイント / LATS2 / GAK / Cyclin G / PP2AB'alha / リン酸化 |
Research Abstract |
GAK/cyclin G1に関する成果としてGAKが細胞質だけでなく核にも局在し、cyclin G1、p53、クラスリン重鎖(CHC)およびPP2AB'α1サブユニットと複合体を形成していることを発見した。継続して深く追究したところGAKがB'α1のN端をリン酸化していることを発見できた。さらにU2OS細胞(p53は正常)での非リン酸化型B'α1の変異体の過剰発現はGAK-KDと共に内在性のB'α1の活性を無効にし、脱リン酸化標的タンパク質であるp53、MDM2、CHK2の安定性を減少させること、逆に常時活性型B'α1変異体の過剰発現は安定性を増加させることを見出した。一方、293T細胞(p53は異常)では非リン酸化型変異体の過剰発現によりT抗原のp53に対する結合が阻害された。これによりp53の不活性状態は解除され、γ線照射によるDNA損傷に伴ったp53の活性化が起こると考えられる。Lats2に関する成果としてはM期においてAurora-AキナーゼがLats2のN末領域の異なる3箇所のアミノ酸残基をリン酸化することで異なる分裂装置上へ局在させることを見出した。Aurom-Aによる複数のリン酸化がLats2のダイナミックなM期局在を制御するかどうか、継続して研究を続けたところsiRNAにより内在性Lats2あるいはLats1をノックダウンすると細胞質分裂の異常を起こすことを発見できた。またLats2ノックダウン細胞においてCPC(Chromosomal Passenger Complex)のM期局在制御が異常になることを発見した。さらに研究を継続し、Lats1^<-/-;>Lats2^<-/->のダブルノックアウト(DKO)マウス作製したところ、予測どおり胎生致死であった。その原因を詳細に調べた結果、Lats2とLats1が協調して着床前の胚発生過程に不可欠な役割を果たしていることを見出した。また、Lats2の心臓発生における役割についても解析した。
|
Research Products
(2 results)