2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370082
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
稲垣 昌樹 Aichi Cancer Center Research Institute, 発がん制御研究部, 部長 (30183007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 一郎 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 室長 (20311441)
猪子 誠人 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 主任研究員 (30393127)
笠原 広介 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 研究員 (90455535)
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Keywords | 細胞骨格 / 細胞極性 / 細胞接着 / 中間径フィラメント |
Research Abstract |
私共は、以前にケラチン結合蛋白質として同定したトリコプレインがもつTPHDドメインと相同性を有する蛋白質をデータベースで解析し、それらの分子群のひとつとしてアルバトロスを同定した。そして、生化学的結合実験などを用いて、アルバトロスがケラチンと結合することを見出した。アルバトロスは、非極性化細胞ではケラチンと共局在するが、極性化した上皮細胞では、主にAJC(apical junctional complex)近傍に存在した。アルバトロスの上皮細胞における機能を解析するため、その機能欠失(ノックダウン)実験をRNA干渉法を用いて行った。アルバトロス・ノックダウン細胞では、AJCの主要構成因子が細胞間接着部位から消失し、さらにケラチンの局在にも変化が認められた。またアルバトロス・ノックダウン細胞では、側部ドメイン分子であるE-カドヘリンやデスモグレイン2の頂部への流入が認められた。Par3は頂部ドメインおよび細胞間接着装置形成を制御する重要な極性制御分子であるが、私共は、アルバトロスとPar3が複合体を形成していることを見出した。アルバトロスのノックダウン時にはPar3の頂部ドメインの局在には変化がないが、細胞間接着部位における局在が障害された。また、ケラチン欠失上皮細胞にケラチンを導入する実験の結果、ケラチンはこのアルバトロスを安定化し、そしてさらにAJC形成を促進することがわかった。これらの結果はケラチンおよびその結合蛋白質アルバトロスが上皮細胞の極性化に重要であることを示している。
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