2010 Fiscal Year Annual Research Report
高CO_2・高温条件下におけるダイズのシンク形成機構
Project/Area Number |
20380009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
國分 牧衛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40323084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 肇 新潟大学, 農学部, 准教授 (10292351)
鮫島 良次 東北農業研究センター, 寒冷地温暖化チーム, チーム長 (70355452)
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Keywords | ダイズ / 高二酸化炭素 / 高温 / シンク形成 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
本研究は、将来予測される高CO_2・高温条件下において、ダイズの収量を強く規定するシンク(莢実)の形成機構を解明し、高CO_2・高温条件に適応したダイズの育種・栽培技術の方向を呈示することを目的として実施した。そのため、高CO_2・高温条件において問題となる以下の現象を解析した。 1)高CO_2によるソース能促進と蒸散量低下に伴う体内成分変化と体温上昇 2)高温による体温の以上上昇と老化促進に伴う生殖器官の活性低下 3)高CO_2・高温条件下におけるシンク(胚、葵、子実)形成・物質蓄積過程の変化 昨年度までの研究で、高CO_2・高温条件下では光合成が促進され、物質生産量が増加するが、生育後半においては光合成能の低下と物質生産能の低下が認められたので、本年は、その要因の解明に重点をおいた。本年は、生育前・後半に分けて高CO_2処理の影響を解析した。その結果、 1)高CO_2による光合成の低下は、植物体を高CO_2条件に晒す期間が長くなると発現すること、 2)高CO_2・高温条件下では気孔コンダクタンスと蒸散量の低下が認められ、そのため晴天時には体温が上昇すること、 3)高CO_2・高温条件下では開花数に変動は少ないが、結莢率の低下が認められること、が明らかとなった。今後、体内成分・ホルモンの分析結果と合わせて考察を加える予定である。
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