2009 Fiscal Year Annual Research Report
母性生殖行動と分娩に於けるオキシトシン受容体機能の分子生物学・分子生理学的解析
Project/Area Number |
20380058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西森 克彦 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (10164609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 正 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90240845)
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Keywords | オキシトシン受容体 / オキシトシン / 母性行動 / セロトニン / 視索上核 / 縫線核 / 社会行動 |
Research Abstract |
オキシトシン受容体(OXTR)遺伝子KOマウス解析から、OXTは脳内のOXTRを介し母性行動、母子関係行動、社会的認知能、攻撃行動などの社会行動制御に深く関与することが見出された(Takayanagi他,PNAS,2005)。オキシトシン受容体の脳内での詳細な発現分布を明らかにし、行動制御作用や記憶、情動など、それぞれの脳機能毎に機能分担されている脳内の様々な神経核のうち、これらオキシトシン受容体が発現している領域の役割を明らかにする為、Oxtr-Venusノックインマウスを作製し、その解析を行った。その結果、オキシトシン受容体は、社会行動に関わるとされる脳内の様々な領域で興味深い発現分布をしいる事が明らかとなった(Yoshida他,J.NS,2009)。我々は更に、OXTR発現用AAV-Oxtrベクターを開発し(Sato他,BBB,2009)、様々な領域で発現するOXTRの役割を明らかにするrescue exp.を開始した。 この系を用い、母性行動に関与する脳内領域へオキシトシン受容体遺伝子の感染を行ったところ、中隔(lateralseptal nucleus)への感染により母性行動の回復傾向が見出された。一方、母性行動と密接に関係する視索前野やオキシトシン合成主要神経核のSONでは、分娩や母性行動誘導に伴いOXTR発現の上昇することがOXT-Venusマウスの解析により見出された。 領域・時期特異的OXTR遺伝子不活性化実験のためのコンディショナル型Oktr(fx/fx)マウスとAAV-Creベクターも開発し終わり、最終年度はこれらツールを駆使しOXTRによる社会行動制御の解析を続けてく計画である。
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