2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドアレイを活用したコレステロール代謝改善ペプチドの作用機構解明と応用
Project/Area Number |
20380075
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長岡 利 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50202221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜司 名古屋大学, 工学部, 助教 (50377884)
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Keywords | コレステロール / ラクトスタチン / コングリシニン / コレステロール7α-水酸化酵素 / 胆汁酸 / ミセル / HNF-3α / ペプチドアレイ |
Research Abstract |
1. 大豆タンパク質を構成し、強力なCHOL代謝改善作用を発揮する大豆β-コングリシニン由来の、どの疎水性ペプチドがCHOL吸収抑制作用に寄与する「疎水性胆汁酸結合ペプチド」であるのかを、「ペプチドアレイ」により、網羅的に解析し、大豆タンパク質のCHOL低下作用に寄与している「新規疎水性胆汁酸結合ペプチド」を発見することを目的とした。具体的にはβ-コングリシニンの全アミノ酸配列から、疎水度0.8以上のオクタペプチドを選別し、ペプチドアレイを作成し、タウロコール酸とハイブリダイゼーションした。抗コール酸抗体、蛍光標識抗体と順次反応させ、蛍光強度を測定した結果、対照ペプチドと比較して、より胆汁酸結合能が高い数個の胆汁酸結合ペプチドを発見した。これらは従来法(in vitroで放射性胆汁酸との結合能を定量)によっても、胆汁酸結合能を示した。これらの胆汁酸結合ペプチドには、医薬品コレスチラミンと同程度の強力なコレステロールミセル溶解性の阻害作用を発揮するペプチドも存在し、そのペプチドはin vivoでコレステロール吸収抑制作用を発揮した。 2. コレステロール分解に関与しているコレステロール7α-水酸化酵素(CYP7A1)遺伝子のラクトスタチン(世界初のコレステロール低減化ペプチド)による転写活性化機構を分子レベルで解明することを目的に研究した。その結果、下記のような成果を得た。 (1) HNF-3結合領域に関して、-300~-286領域の欠損においてラクトスタチンによるCYP7A1遺伝子の転写活性化が消失した。(2) siteA領域はHNF-3αと結合することが確認され、その結合は、siteA領域の-297~-293(AAACA)領域の変異により失われた。(1)、(2)より、ラクトスタチンによるCYP7A1遺伝子転写活性化にはHNF-3αが関与することを発見した。
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Research Products
(4 results)