2011 Fiscal Year Annual Research Report
下痢性貝毒原因種Dinophysis属の増殖生理と毒生産能に関する研究
Project/Area Number |
20380116
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
神山 孝史 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所・業務推進部, 主幹研究員 (60371803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏之 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・水産物応用開発研究センター・衛生管理グループ, グループ長 (70371804)
長井 敏 独立行政法人水産総合研究センター, 瀬戸内海区水産研究所・赤潮環境部, 主任研究員 (80371962)
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Keywords | 有毒プランクトン / 下痢性貝毒 / ディノフィシス / Dinophysis acuminata / Dinophysis fortii / Myrionecta rubra / 毒生産 / ペクテノトキシン2 |
Research Abstract |
光強度がDinophysis fortiiの密塵変化に及ぼす影響を室内半連続培養実験で検討した結果、餌料が豊富な条件でも光強度の低い時には高い密度を維持できないこと、正の増殖速度には約5μmol photon m^<-2>s^<-1>以上の光が必要となることがわかり、光条件が本種の増減に大きな影響を及ぼすことが判明した。初夏のほぼ同じ時期に東北地方の4海域から採集した天然のD.fortiiの細胞毒量と毒組成を調べ,これまで情報が少なかった日本海側におけるD.fortiiの天然個体群の細胞毒量の特徴を新たに明らかにした。特に、秋田県で採取した個体群の毒成分の一つ(ペクテノトキシン2)は太平洋側の個体群株よりも高くなる傾向が認められ、D.fortiiの毒組成や細胞毒量は同時期であっても地域によって異なると考えられた。一方、Dinophysis属の葉緑体がクリプト藻Teleaulax amphioxeiaを起源とする繊毛虫Myrionecta ruburalの葉緑体に完全に依存することを調べるため、T.amphioxeiaの餌料で1年以上継代培養したM.rubraを餌料としてDinophysis acuminataを培養し、T.amphioxeiaおよびD.acuminataからそれぞれ葉緑体画分のみを調整し、精製した葉緑体粒子からそれぞれDNA抽出を行い、次世代シーケンサーで全長解析を試みた。結果については現在解析中であり、次年度以降の他の関連研究の中で詳細を報告していく予定である。
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Research Products
(7 results)