2008 Fiscal Year Annual Research Report
面積が1haを超える大規模温室におけるトマトの生産性向上に関する研究
Project/Area Number |
20380140
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
仁科 弘重 Ehime University, 農学部, 教授 (70134509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 弘太郎 愛媛大学, 農学部, 講師 (40380266)
羽藤 堅治 愛媛大学, 農学部, 准教授 (50274345)
有馬 誠一 愛媛大学, 農学部, 准教授 (60335891)
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Keywords | 温室 / トマト / 生産性 / 光合成 / 群落 / 気孔開度 / CO_2 |
Research Abstract |
世羅菜園(広島県世羅郡世羅町、約8.5ha)および四万十みはら菜園(高知県幡多郡三原村、約3ha)において、(1)群落を構成する個体測定、(2)群落内光環境測定、(3)群落内の個葉の光合成能力測定、(4)異なるCO2濃度条件下での群落上・中・下層の葉の光合成能力測定(四万十みはら菜園のみ)を行った。 (1)および(2)に関しては、両菜園間で葉数や葉間長に有意差はなく、さらに、葉面積の垂直分布からも、両菜園のトマト群落はほぼ同様の形態の個体で構成されていることが示された。(3)に関しては、世羅菜園の中・下層の光合成能力がみはら菜園よりも顕著に低く、また、世羅菜園の中・下層の気孔開度がみはら菜園よりも著しく小さいことがわかった。この結果は、世羅菜園の中・下層の葉の気孔が開きにくく、外気からのCO2取込み能力が低くなっているため、光合成能力がみはら菜園よりも低くなっている可能性を示唆していた。この理由は明確ではないが、屋根被覆材(世羅菜園:ガラス、みはら菜園:硬質フッ素フィルム)による光透過特性の違いが影響している可能性もある。(4)に関して、CO2濃度400、800、1500ppmで群落上・中・下層の葉の光合成能力を測定したところ、CO2濃度を大気レベル(400ppm)よりも高くすることで、純光合成速度を高めることができることがわかった。さらに、この効果は上層および中層で顕著であるが、800ppmから1500ppmに上げても、純光合成速度を高める効果は期待できないことも示された。この結果は、CO2施用の際の目標設定CO2濃度を800ppmにすることで、CO2投入の無駄を省き、効率の良いCO2施用が達成できることを示していた。
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Research Products
(6 results)