2010 Fiscal Year Annual Research Report
面積が1haを超える大規模温室におけるトマトの生産性向上に関する研究
Project/Area Number |
20380140
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
仁科 弘重 愛媛大学, 農学部, 教授 (70134509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 弘太郎 愛媛大学, 農学部, 講師 (40380266)
羽藤 堅治 愛媛大学, 農学部, 准教授 (50274345)
有馬 誠一 愛媛大学, 農学部, 准教授 (60335891)
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Keywords | 温室 / 太陽光利用型植物工 / トマト / 光合成 / 群落 / 生産性 / 標準化 / CO_2 |
Research Abstract |
昨年度と同様に、全国の大規模太陽光利用型植物工場の中から5菜園((有)いわき小名浜菜園(福島県)、世羅菜園(株)(広島県)、加太菜園(株)(和歌山県)、(有)四万十みはら菜園(高知県)、響灘菜園(株)(福岡県))のトマト群落を対象として、ほぼ同時期に群落光合成機能の測定を行った。本年度の測定は、作型の終期にあるトマト群落を対象とした測定(6月に収穫終了となる作型を対象として4~5月に測定)とした。菜園ごとにトマト群落の光合成機能は大きく異なっており、いわき小名浜菜園の個葉の最大光合成速度が最も大となっていた。 この結果は、昨年度と同様であり、いわき小名浜菜園では、液化CO_2ガスを使用した積極的なCO_2施用を行うことで個葉の光合成能力が高く維持できたものと考えられた。さらに、周年での複数菜園間でのトマト群落光合成機能の比較解析を可能にするために、各菜園の栽培管理担当者に対する光合成機能測定法のレクチャープログラムを作成した。本プログラムを実施することで複数年にわたる継続的な光合成機能測定が可能になる。 また、愛媛大学農学部附属知的植物工場基盤技術センターの太陽光利用型知的植物工場で周年栽培されているトマト群落(1000株/栽培面積400m^2)を対象とした継続的な光合成機能測定も行った。本測定では、冬季において、トマト群落の一部に生じた弱光順化をクロロフィルa/b比の低下として検知した。なお、この群落内部の光環境を改善することにより約1週間で弱光順化傾向を解消できることを明らかにした。これは、トマト周年栽培における生体情報計測(クロロフィルa/b比)に基づいた環境制御(光環境)の実証例であり、生体情報と環境情報を利用したSPA (Speaking Plant Approach)環境制御の第一段階としてきわめて重要なステップとなる。
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Research Products
(5 results)