2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換えオオムギを用いた家畜疾病予防法(食べるワクチン)開発のための基礎研究
Project/Area Number |
20380167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 安喜 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90251420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 隆 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (20134520)
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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Keywords | 食べるワクチン / オオムギ / 経口免疫 / 家畜 / 疾病予防法 |
Research Abstract |
我々は、これまでに、ブタ回虫の感染防御抗原であるAs16蛋白を産生するイネを作出し、その種子をマウスに摂食させることにより、ブタ回虫感染防御効果を得られることを明らかにしたが、産生されるワクチン抗原産生のさらなる効率化を目指す必要があることも課題として残った。一方で、穀類の中で、コメは家畜飼料ではないが、トウモロコシやオオムギは家畜飼料として実際に利用されており、家畜用の食べるワクチンとしては適用しやすい。本研究は、ワクチン発現媒体としてオオムギに注目し、ブタ大腸菌症およびブタ回虫症をモデルとして、ブタの感染症予防のためのワクチン投与法として、組換えオオムギの種子を用いた食べるワクチンの作出およびその傾向免疫効果の評価を目指している。本年度は、海外研究協力者から供与されたオオムギにワクチン蛋白遺伝子を導入するベクターに誤りがあることが塩基配列の道程により明らかになったため、新たにAs16および毒素産生性大腸菌のfedF抗原タンパク質をコードする遺伝子を、バイナリーベクター系のプラスミドPAM470のオオムギの種子貯蔵蛋白の一つであるホルディンD(D-Hordein,Hor3)のプロモーターの下流に組込み、オオムギの胚乳に蓄積するような発現ベクターを構築した。また、オオムギへの遺伝子導入法として、従来のアグロバクテリウムを用いた遺伝子導入法に加え、コムギにおいて新たに開発された花粉(microspore)への遺伝子導入法を次年度試みることを計画に加えた。一方、新たな粘膜免疫法の適応モデルと考えられるリーシュマニア原虫の感染防御エピトープに関しては、前年度同定された経鼻免疫特異的に認識されるエピトープと注射免疫時にも認められるエピトープの双方において経鼻免疫時にある程度の感染防御効果が認められた。
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Research Products
(3 results)