2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (10173410)
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Keywords | アセタール / カチオン性の塩 / MEM-エーテル / 脱保護 / アセトナイド / シクロアルケン混合アセタール / 2,5-ジ置換テトラヒドラフラン / 有機亜鉛試薬 |
Research Abstract |
アセタール由来カチオン性塩への求置換反応とその利用、さらには2-デオキシ糖への高立体選択的置換基導入反応を行う事を目的に研究を行い、以下の成果を得た。 1)MOMエーテルの脱保護における基質一般性の拡張を目的として、tBuエステル等酸条件に不安定な官能基が同一分子内に存在する基質での反応を検討し、これらの基質でも首尾よくMOM基が選択的に脱保護されたアルコール体を得た。2)MOM型エーテルの脱保護を目的として、MEM-エーテル、BOM・エーテル、SEM-エーテルをTESOTf-ビピリジルで処理してビピリジル塩を生成し、この塩の処理方法を変える事により、加水分解したアルコールやジ相当するMOM型エーテルを選択的に得る事に成功した。3)ジアリルアセタールからカチオン性塩を生成させ、改めてオレフィンを持つアルコールを加え混合アセタールを収率良く得た。このもののオレフィンメタセシスによりシクロアルケン混合アセタールとし、酸で処理することにより2,5-ジ置換テトラヒドロフランを立体選択的に得た。4)アセトナイドの存在下にメチレンアセタールの脱保護を検討した。この場合、ルイス酸としてTESOTfを用いた場合十分な選択性は得られなかったが、より嵩高いTBSOTfを用いる事により選択的に脱保護することに成功した。5)糖由来のカチオン性塩に、有機亜鉛試薬を反応させ、立体選択的にアノマー位へ炭素種を導入する事に成功したが、本法を環状エーテル基質にも適用し、この場合にも高い立体選択性が得られる事を明らかにした。
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