2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390058
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
富澤 一仁 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40274287)
|
Keywords | 糖尿病 / インスリン / Cdk5 / リン酸化 / 細胞内情報伝達 / 蛋白質相互作用 |
Research Abstract |
CDKAL1は、遺伝子・ゲノム解析により発見された遺伝子であり、同遺伝子の翻訳蛋白質についての研究成果はこれまで全く報告がない。そこで本研究では、CDKAL1蛋白質の機能を明らかにすることを目的とした研究を行った。特に今年度は以下の研究を実施した。 1. CDKAL1のマウス組織における発現 CDKAL1に特異的な抗体を作製し、マウスにおけるCdkal1の組織分布について検討した。Cdkal1は、膵島、筋肉に多く発現していた 2. CDKAL1の機能解析 大腸菌にCDKAL1を発現させtRNAの質量分析を行った結果、CDKAL1が、tRNAの37番のアデニンをチオメチル化する酵素であることを同定した。この修飾により蛋白質の翻訳が促進されるが,修飾が無いとリジン残基の翻訳過程で蛋白合成が遅延することを明らかにした。さらに,膵β細胞由来株化細胞であるMIN6細胞において,CDKAL1遺伝子をノックダウンすると,インスリン合成ならびに分泌が阻害されることを明らかにした。 3. CDKAL1ノックアウトマウスの作製 CRE/loxPの系を用いて、膵β細胞特異的にCDKAL1遺伝子が欠損したマウスの作製を行った。生まれたホモマウスの膵島を摘出し、RT-PCR、ウエスタンブロティング法にて、CDKAL1の発現が無いことを確認した。
|