2008 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子による幹細胞並びに個体発生の動態制御のシステム生物学的解析
Project/Area Number |
20390075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 典子 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任准教授 (10251448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 発生・分化 / システム生物学 |
Research Abstract |
再生医療を実現するためには、未だ不明な点の多い幹細胞が増殖因子によって制御される分子機構や、組織や臓器が作り出される発生の分子機構を明らかにすることが必要である。幹細胞や発生は、FGFファミリーなどの増殖因子によって、複雑な制御を受けている。研究代表者は、FGFシグナルを伝達する司令塔細胞内因子FRS2alphaの変異マウスがFGFシグナルを包括的に個体レベルで解析する良いモデル系であるという結果を得ている。そこで、本研究では、これまでの分子生物学的方法論の欠点を補う形で、システム生物学的方法論を積極的に取り入れ、増殖因子による幹細胞及び発生の制御機構を解析し、その統合的理解をめざすとともに、再生医療に応用可能な新規シーズの抽出を試みている。 1.FGFによる神経幹細胞の増殖並びに自己複製能制御のシステム生物学的解析 我々の前年度までの解析より、FRS2alphaは、神経幹細胞の自己複製能にクリティカルであることを見いだした。そこで、その分子機構をシステム生物学的に統合的に理解するため、時系列詳細DNAマイクロアレイにより遺伝子発現パターンのプロファイリングを行い、これをバイオインフォマティクス解析に供した。 2.FRS2alpha 2F並びに4F変異マウスの新規表現型の解析 FRS2alphaが、神経のbasal progenitor cellsの分化を制御するTbr2の発現誘導に重要な役割を果たしていることを見いだした。
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