2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390099
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸田 達史 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (30262025)
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Keywords | 分子遺伝学 / 認知機能 / 精神発達遅滞 / CNV / GEMCA / Sotos症候群 / 22q11.2欠失症候群 / Potocki-Lupski症候群 |
Research Abstract |
本年度は、認知機能の異常である精神発達遅滞について解析を行った。精神発達遅滞(MR)の原因は多岐にわたるが、詳細な検査でも原因を特定できない症例も多い。近年、そういった症例の中に通常の染色体検査では検出し得ない微細なゲノムコピー数の異常を持つ例が含まれていることが報告されている。我々はAffymetrix社の500K SNPチップを用いてMR患者28症例のコピー数異常領域検出を開始した。 解析はGEMCA(Genotyping microarray based CNV analysis)にて行い、1症例当たり、最多26箇所、最少4箇所、平均13箇所のコピー数変化領域が検出できた。これらのうち、データベースを参照し、既報告である領域を除外し、対象とする候補領域を16領域(10症例)に絞り込んだ。次に定量PCRでコピー数変化の検討を行ったところ、全ての領域でコピー数変化が確認できた。そのうち3症例は、既知の症候群(Sotos症候群,22q11.2欠失症候群,Potocki-Lupski症候群)、1症例は既知の欠失であった。残りの6症例12領域について、日本人正常50例での多型性の検討を行い、正常例で認めないことを確認した。我々はこれらの領域について、患者家族のコピー数変化の検索、遺伝子の発現等の詳細な解析を進めている。
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