2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトヘルペスウイルスの病原性発現に関与する因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
20390138
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 康子 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50343257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 成史 医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, プロジェクトリーダー (50311759)
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Keywords | 遺伝子発現 / 細胞向性 / ウイルス感染 / 病原性 |
Research Abstract |
ヒトヘルペスウイルス6は、T細胞向性のウイルスであり、塩基配列や細胞向性の違いによりふたつのバリアントHHV-6AおよびHHV-6Bに分けられる。HHV-6Bは突発性発疹を引き起こすが,HHV-6Aに関してはその病態は不明である。HHV-6Aの宿主レセプターはヒトCD46であると報告されている。そのウイルス側リガンドは不明であったが、gH/gL/gQ1/gQ2複合体であることを我々は報告した。しかし、その複合体が如何にして形成され、CD46への結合にその複合体形成が必要であるかに関しては不明であった。今回、我々は、その過程を明らかにした。gH,gL,gQ1およびgQ2のプロセッシングに関してはどれかひとつでも欠損した場合は、プロセッシングできず輸送もされないことが明らかとなった。またCD46への結合においてもgH/gL/gQ1/gQ2の複合体形成が必要であることが判明した。 HHV-6は、T細胞系でしか増殖できないことより、組換えウイルスの作製が困難であった。今回我々は、HHV-6Aの全ゲノムをBACベクターに挿入することに成功し、またそのウイルスゲノムを感受性細胞に導入することにより感染性ウイルスの再構築に成功した。すなわち、本システムを用いてHHV-6遺伝子欠損ウイルスの作製が可能となった。 そこで今回、我々は、gQ1遺伝子欠損ウイルスの作製を試みたところ、ウイルスの再構築は行われなかった。よってgQ1遺伝子は、ウイルス増殖に必須であることが明らかとなった。
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