2010 Fiscal Year Annual Research Report
インドールアミン酸素添加酵素遺伝子組換えによる病態解析と関連した診断治療法の開発
Project/Area Number |
20390167
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 邦明 京都大学, 医学研究科, 教授 (80262765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康子 京都大学, 医学研究科, 助教 (00331869)
船渡 忠男 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (70165455)
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Keywords | 臨床検査医学 / 生理活性物質 / サイトカイン / 炎症・免疫 / 臨床化学 |
Research Abstract |
Indoleamine2,3-dioxygenase(IDO)阻害により、ヒトおよびマウスなどのレトロウイルス感染症でウイルス量を抑制することが示された。脳心筋炎ウイルス(Encephalomyocarditis virus:EMCV)感染マウスモデルを用いた研究結果より、IDO遺伝子欠損(KO)あるいはIDO阻害剤(1-MT)投与マウスにおいて、EMCV感染WTに比較して著明にIFNの増加がみとめられ、その際ウイルス量の抑制が見られた。これらの現象はIDOを阻害したEMCV感染マウスにトリプトファン代謝産物を腹腔内投与することで、IFNの産生量が有意に変動した。すなわち、IDO誘導による関連代謝産物の増減が1つの重要な因子であることが明らかとなった。IFNの産生誘導は、ウイルスの種類により認識されるレセプター(TLRsファミリー、NOD-like receptorsファミリー、RIG-Ilike receptorsファミリー、C-type lectin receptorファミリー)が異なることが知られ、IDO誘導によるトリプトファン代謝の亢進がIFNを産生誘導する複数のシグナル経路を制御している可能性やIFN産生細胞の機能を変化させることなどが推察された。ウイルスの種類あるいは感染経路により、IDOにより制御されるIFN産生細胞はpDCのみならず多岐におよぶ。さらに、局所トリプトファンの減少は、アミノ酸合成阻害によりpDC内でGCN2を活性化することでIFNの産生を抑制、あるいはmammalian target of rapamycin(mTOR)の抑制によりIFNの産生が抑制されることなどが推察された。すなわち、IDOの活性化によるIFN抑制機構は局所トリプトファン減少による種々のシグナル因子への影響や代謝産物増加による細胞増殖抑制や細胞死によるものと考えられた
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Research Products
(5 results)