2010 Fiscal Year Annual Research Report
末梢性自己寛容誘導機序の解明に基づく自己免疫疾患の発症予知診断法の開発
Project/Area Number |
20390168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩谷 良則 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60168581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 幹夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50294088)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 制御性T細胞 / 末梢性自己寛容 / 甲状腺 / 発生制御因子 / 一塩基多型 / GITR / FOXP3 |
Research Abstract |
自己免疫疾患の病因規定因子である末梢性自己寛容の誘導因子と標的臓器の発生制御因子に着目し、発症予知に有用な遺伝子多型を見出すことを試みた。 1. 制御性T細胞の解析Glucocorticoid-induced TNF-receptor(GITR)は制御性丁細胞(Treg)やエフェクターT細胞(Teff)の機能に影響することから、自己免疫性甲状腺疾患の病態とGITRのSNPとの関係をさらに患者数を増やして詳細に解析したところ、rs3753348C/G SNPのCC genotype及びrs2298213 A/G SNPのAA genotypeの頻度が橋本病の軽症群で重症群よりも高いこと、そしてTreg及びTeff細胞におけるGITR陽性細胞の比率がrs3753348C/G SNPのCC genotypeで高いことを解明した。従って、GITRシグナルが自己免疫応答を抑制する可能性及びGITRのSNPが自己免疫性甲状腺疾患の予後予測に利用できる可能性が示唆された。 さらにTreg細胞の制御能に関連するFoxp3やCTLA4のSNPと自己免疫性甲状腺疾患の病態との関連を解析し、Foxp3の-2383CC genotypeの頻度は橋本病の重症群で軽症群よりも高いこと、-3279CAgenotypeの頻度はバセドウ病の寛解群で難治群よりも高いこと、そしてFoxp3の転写に欠陥のある-3279AAgenotypeがバセドウ病の寛解群に存在しないこと、さらにCTLA-4のCT60 SNPのGG genotypeと+49A/G SNPのGalleleの頻度が橋本病全体で高いことを明らかにした。 2. 発生制御因子の解析標的臓器である甲状腺の発生制御因子(TTF-1,Pax-8,HHEX,Foxel等)のSNP解析に関しては、その後有意の結果は得られなかった。
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Research Products
(7 results)