2010 Fiscal Year Annual Research Report
各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関する大規模疫学研究
Project/Area Number |
20390188
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
森河 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)
櫻井 勝 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90397216)
佐々木 敏 東京大学, 医学系研究科, 教授 (70275121)
由田 克士 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (60299245)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 糖尿病 / 栄養学 / 疫学 / 食品 |
Research Abstract |
本研究は、大規模な職域集団において平成15年に実施した厳密な栄養調査を平成21年に再度実施し、日本人成人における各種栄養素・食品摂取量の長期的な変化が生活習慣病発症に及ぼす影響を明らかにするものである。本年度は2回の栄養調査の結果をもとに6年間の食事の変化と代謝異常との関連を解析した。 1.食事の変化と代謝異常値の変化についての解析データベースを作成した。2回の栄養調査票から各種栄養素・食品摂取量を算出し、健診結果と結合した。回答者は、平成15年は男4,178名、女2,351名、21年は男4,351名、女2,354名で、2回とも回答が得られたものは男2,564名、女1,538名であった。 2.集団における2回の栄養調査結果を比較した。性・年代別に結果を比較すると、6年間で脂肪エネルギー比、肉類、菓子類、若年男性の食塩の摂取量は増加し、中高年の食塩、カルシウム、乳製品、魚介類、男性の緑黄色野菜の摂取量は減少していた。脂肪摂取量の増加、塩分過多、カルシウム不足、野菜不足など食事に関連した問題は若年者に顕著であった。 3.6年間の体格指数(BMI)の変化と総熱量・三大栄養素の摂取量の変化を検討した。男女ともBMI低下群では摂取総熱量は低下していたが、BMI増加群では必ずしも摂取総熱量の増加は認めなかった。BMIの変化と三大栄養素の摂取量およびその変化との関連は認めなかった。 4.6年間の栄養素・食品摂取量の変化と臨床検査値の変化との関連を検討した。男性では脂肪摂取量とLDLコレステロール、食物繊維とHDLコレステロール、肉類とBMIの各々の変化量の間に正の関連を、食物繊維と中性脂肪、緑黄色野菜と総コレステロールに負の関連を認め、女性では総熱量と中性脂肪、脂肪摂取量と総コレステロールの各々の変化量の間に正の関連を認めた。このように、いくつかの栄養素・食品の摂取量の長期的な変化は代謝異常等の生活習慣病発現に影響する可能性が示された。
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Research Products
(3 results)