2009 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルス遺伝子型毎の薬剤耐性メカニズムの解明
Project/Area Number |
20390213
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
溝上 雅史 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 客員教授 (40166038)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 靖人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90336694)
菅内 文中 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (20405161)
FUAT Kurbanov 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (10444978)
|
Keywords | エンテカビル / ラミブジン / 薬剤耐性 / キメラマウス |
Research Abstract |
1)エンテカビル(ETV)耐性メカニズムの解明:多施設共同研究により、ラミブジン耐性(LVDr)患者(41例)において3年で44.8%にETV耐性変異(LVDr+202G or 184L)を認めた。専用解析ソフトを用いて3次元ドッキングシュミレーションを行った結果、LVDr (180M, 204V)に加えて202Gまたは184Lが入ることにより、ETVとの推定結合部位の立体構造が変化し、B型肝炎ウイルス(HBV)の結合能が落ちることがわかった。 2)ラミブジン投与例におけるエンテカビル切り替え無作為割り付け試験:当院及び研究協力施設においてLVDを3年以上継続投与しHBV-DNAが2.6 logcopies/mL未満であった27例(男性17例、平均年齢55±9歳、LAM平均投与期間は57±27ヶ月)を各施設ごとにA群:LAM継続群(15例)、B群:ETV切り替え群(12例)へ無作為に割り付け、平均治療観察期間は13ヶ月であった。B群の1例で副作用によりETVを中止したため除外した。ウイルス学的再燃の出現頻度は、A群:5/15例(33%)でB群:0/11(0%)に比し、高い傾向であり、さらに詳細に検討していく予定である。 3)キメラマウスを用いたin vivo実験:耐性変異株の感染・複製効率の検討及び薬剤感受性試験感染実験を開始した。特に、ETV耐性クローンを作成し、感染実験を施行。感染力は弱いが、一旦感染するとETV耐性であることを確認した。新規薬剤(化合物)を用いた感受性試験を行う準備は整った。
|