2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390279
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北浦 次郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (30282651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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Keywords | ペア型免疫レセプター / 自然免疫 / ノックアウトマウス / 自己免疫 / ミエロイド |
Research Abstract |
当該年度に実施した研究の主な成果は、LMIR3/4/5のin vitro解析により得られた。LMIR3は細胞内にITIMを2個、ITSMを1個有するが、他に2個のチロシン残基(ITSMを含む)を有する。各チロシン残基の役割を明らかにするため、各チロシン残基をフェニルアラニンに置換したLMIR3変異体を作製した。レトロウイルス感染により骨髄由来マスト細胞(BMMC)に発現させて、FceRIとの共架橋によるサイトカイン産生能を調べた結果、LMIR3の抑制型レセプターとしての機能はリン酸化されたITM(2個)とITSMがSHPI1/2と結合することによることが判明した。一方で、他の2個のチロシン残基はPI3Kのp85やGrb2と結合して活性化シグナルを伝達することが証明された。さらに、興味深いことに、抑制型レセプターLMIR3はITAMを有するアダプター分子であるFcRgと結合すうことも証明され、LPSの刺激下ではLMIR3の架橋刺激はサイトカイン産生を増強させることが明らかになった。ITIMを有する抑制型レセプターがFcRgと結合して活性化レセプターとしても機能するという例はなく、ペア型レセプターLMIRの生理的役割を考える上で意義深い。また、好中球に発現するLMIR5はPMAやLPSの刺激により細胞外領域で切り出されることが特異抗体を使用したELISAにより明らかとなった。LMIR5-Fc(LMIR5の細胞外領域とFcの融合蛋白)は、可溶性LMIR5に近似しているが、このLMIR5-Fcを腹腔マクロファージに作用させると顕著なサイトカイン産生が認められた。これらの結果は、活性化した好中球などが放出するか可溶性LMIR5がさらに他の免疫担当細胞に作用して炎症を増幅させる可能性を示唆している。LMIR5の炎症における役割を考える上で、重要な結果が得られたと考えられる。
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Research Products
(7 results)