2009 Fiscal Year Annual Research Report
活性型ビタミンD3投与による高齢者肺炎の新たな予防法の確立のための研究
Project/Area Number |
20390285
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大類 孝 Tohoku University, 加齢医学研究所, 准教授 (90271923)
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Keywords | 高齢者肺炎 / 細胞性免疫 / 血中ビタミンD濃度 / ツベルクリン反応 / 活性型ビタミンD製剤 |
Research Abstract |
<研究実績の概要>ビタミンD欠乏要介護高齢者における活性型ビタミンD3の補充投与がその後の健康状態に及ぼす効果を明らかにすべく、平成21年度に以下の介入研究を施行した。 研究計画書のとおり、血清ビタミンD濃度の低下した対象高齢者63名を無作為に活性型ビタミンD3製剤投与群32名(0.5μg/day、週3日間内服)(男性10名、女性22名、平均年齢86.3歳)および非投与群31名(男性8名、女性23名、平均年齢84.0歳)の2群に分け、その後対象者の発熱日数、咳、喀痰等の臨床症状、肺炎発症の有無、他病院への入院の有無、転倒および骨折の有無、生命予後を平成22年3月まで前向きに調査した。結果として、ビタミンD3投与群は非投与群と比べ年齢が2歳以上高齢であったが、男女比は両群間で差異はなかった。ビタミンD3投与群では非投与群と比べ脱落者が多かった。ベースラインの25-(OH)ビタミンDの値は、投与群で13.4(平均)±4.5(SD)ng/dl、非投与群で13.2±3.1ng/dlと差異は認めなかったが、介入終了時の値は前者で20.2±6.2、後者で18.9±6.3ng/dlと投与群で高値を示した。また、細胞性免疫能の指標のひとつであるツベルクリンの最大径は、前者で9.6±5.8cm、後者で7.3±4.7cmと投与群で高値を示した。脱落者を含めた総発熱日数は、前者で4.1±5.6日/年、後者で3.0±3.7日/年で有意差は認められなかった。現在、1年間Followできた研究遂行者間での値を解析中である。また、それぞれの群の入院回数、生命予後につきカルテ調査中である。
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Research Products
(3 results)