2008 Fiscal Year Annual Research Report
PETによる自閉症のセロトニン仮説の証明とそれを制御する遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
20390312
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 和彦 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 教使 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (80206937)
尾内 康臣 分子イメージング先端研究センター, 教授 (40436978)
辻井 正次 子どものこころの発達研究センター, 客員教授 (20257546)
松崎 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (00334970)
片山 泰一 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80333459)
|
Keywords | 自閉症 / 画像 / 遺伝子 |
Research Abstract |
【目的】セロトニン・トランスポーターの発現制御に関係する因子を検索する。(i)syntaxin 1A(STX1A)(ii)roundabout,axon guidance receptor,homolog 3(ROBO3)(iii)integrin,beta 3(ITGB3)(iv)myristoylated alanine-rich protein kinase C substrate like protein(MacMARCKS)の遺伝子解析と死後脳における発現について検討した。 【方法】1)家族内相関解析を(i)Autism Genetic Resource Exchange(AGRE)の白人の252家系と、(ii)日本人の126家系を対象に行なった。2)次にAutism Tissue Project(ATP)の自閉症の死後脳について各部位において発現量を解析した。 【結果】1)家族内相関解析はSTX1Aについては白人サンプル、日本人サンプルとも有意差が認められた。ROBO3については白人サンプルについて有意差が認められた。さらにSTX1Aについては自閉症診断基準ADI-RのサブスコアーであるADI-R_D(early developmental abnormalities)スコアー、ROBO3はADI-R_A(social interaction)スコアーに関して有意差が認められた。2)死後脳については(i)STX1Aは前帯状回で有意に発現が減少していた。(ii)ROBO3は前帯状回と皮質運動野で有意に発現が上昇していた。(iii)ITGB3は前帯状回と視床で有意に上昇していた(iv)MacMARCKSは前帯状回で有意に上昇していた。 【結論】セロトニン系に関する遺伝子群は家族内相関解析で有意差が認められ、脳内発現も対象群と比べると有意に変化していた。ゆえにセロトニン系は自閉症の病態に何らかの関連があると推測できる。
|