2009 Fiscal Year Annual Research Report
PETによる自閉症のセロトニン仮説の証明とそれを制御する遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
20390312
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 和彦 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 准教授 (80263911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
尾内 康臣 浜松医科大学, 分子イメージング先端研究センター, 教授 (40436978)
辻井 正次 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20257546)
松崎 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00334970)
片山 泰一 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 教授 (80333459)
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Keywords | 自閉症 / PET / 死後脳 |
Research Abstract |
(1)脳画像研究 PET:脳内セロトニン系やそれ以外他の伝達系にも注目し、コリン系にも焦点をあてたPET研究を行った。論文になったのは自閉症では健常者と比較して,大脳皮質全般,基底核,中脳,小脳に渡る広範囲の部位でセロトニン・トランスポーターが有意に低下していた。視床のセロトニン・トランスポーターの低下が強迫症状の強度と有意な相関が認められた。自閉症は神経発達の段階、成長過程においてセロトニン系メカニズムの障害が派生していることが推測された。脳内ミクログリア活性に注目しトレーサーである末梢型ベンゾジアゼピンに焦点をあてたPET研究を行った。現在投稿中であるが自閉症では健常者と比較して,大脳皮質全般,基底核,中脳,小脳に渡る広範囲の部位で末梢型ベンゾジアゼピンが有意に上昇していた。ゆえに脳全体においてミクログリア活性が上昇していることが明らかになった。さらに21年度は自閉症に関してMP4Aの発現がfusiformに有意に上昇していることを明らかにした。 (2)生化学計測,遺伝子解析 21年度はコレステロール関連について研究を行ない、自閉症者において、コレステロールの値が低いことがわかり、各種脂肪酸の定量を行なった。ω3において異常が認められた。臨床遺伝解析はAGREの高機能自閉症トリオサンプル104家系、知的レベルを考慮しないトリオサンプル252家系を用いて行なった。セロトニン関連のSTX1Aに関して相関が認められ、さらにVLDLRに関しても相関が認められた。VLDLRトランスジェニック・ラットの解析において行動に対して多動が認められた。死後脳の解析においては、STX1Aの発現の異常が認められた。
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