2009 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌特異的な標的分子(ガンマ・セクレターゼ作用分子)の同定と臨床応用への展開
Project/Area Number |
20390361
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 幸二 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (50191226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
中村 雅史 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30372741)
小島 雅之 九州大学, 大学病院, 講師 (90380394)
久保 真 九州大学, 大学病院, 助教 (60403961)
森崎 隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (90291517)
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Keywords | 大腸癌 / 膵癌 / g-secretase / Presenilin-1 / Presenilin-2 / Notch / Taxane / G2 / M集積 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に沿つて成果を記載する。本年度の計画は、次の3つである。 1. g-secretase作用分子の網羅的解析: 昨年度の結果を受けて、膵癌細胞を標的細胞としてDNAマイクロアレイを実施し、大腸癌同様、候補遺伝子として細胞周期関連遺伝子およびg-secretase関連遺伝子が抽出され、Taxane/DAPTの併用効果は大腸癌・膵癌の両者に共通した機序によることが強く示唆された。さらに、Taxaneによるアポトーシス抑制経路として、新たに、Hedgehog(Hh)経路およびPI3-K経路の関与を明らかにした(論文投稿中)。なお、PI3-K経路抑制、Hh経路抑制とDAPTの機序は細胞周期解析より異なることが示唆された。その結果、計4つのTaxaneに対する抗アポトーシス経路(g-secretase関連経路、Hh経路、MAPK経路、PI3-K経路)が明らかとなった。 2. 候補分子の選択(二つの新知見を得た): 本年度は、Notchおよびg-secretase構成分子の遺伝子発現をRNA干渉法にてノックダウンする系を用いて、Taxane/DAPTによるアポトーシス増強が1)Notchシグナル非依存性であること、および2)presenillinl(PS1)とPS2の量的あるいは機能的バランスによってコントロールされている可能性を(PS1/PS2バランス)示唆するデータを得た(論文準備中)。現在、PS1/PS2のTaxane感受性制御の可能性を細胞周期に焦点を当て解析中である。 3. 組織レベルでの検索: 上記2に示したように、PS1/PS2がTaxaneを含むG2/M期集積を示す薬剤に対する感受性をコントロールしているという重要な知見を得たため、その機序についての解析に焦点を当て研究中である。したがって、3.の計画は次年度に繰り越す。
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Research Products
(3 results)