2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨髄間質細胞を用いた中枢神経再生、臨床応用にむけた新たなテクノロジーの研究
Project/Area Number |
20390377
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
七戸 秀夫 北海道大学, 北海道大学病院, 助教 (80374479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 敏 北海道大学, 病院, 講師 (10301904)
岩崎 喜信 北海道大学, 名誉教授 (00113522)
飛騨 一利 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10238305)
小林 浩之 北海道大学, 病院, 助教 (70374478)
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Keywords | 中枢神経再生医療 / 骨髄間質細胞 / 幹細胞移植 / 脳梗塞 / 脊髄損傷 / サイトカイン / バイオマテリアル / 光イメージング |
Research Abstract |
今年度は、中枢神経疾患に骨髄間質細胞(BMSCを移植する際に、安全かつ効率的にヒトBMSCを培養することを目的に、従来のウシ胎仔血清(FCS)に替えヒトPlatelet lysate (PL)をもちいた細胞培養の実験をおこなった。細胞増殖速度は、PL群とFCS群でほぼ同等であった。培養ヒトBMSCの表面マーカーや、神経保護作用などに関与すると考えられる神経栄養因子などの産生、神経系細胞への分化傾向を検討したが、いずれも両群に差はなく、PLを用いることで動物血清を使用せず安全に培養できることを明らかにした。(Transl Stroke Res誌に投稿中) また、PLを使用し培養したヒトBMSCを、ラット脳梗塞モデルに移植する実験もおこなった。これらはvehicle群に比べ有意に運動機能改善が得られ、FCSをもちいた細胞とほぼ同等の治療効果が得られた。同時にBMSC移植後に脳内での細胞の挙動を追跡する目的で、光イメージング技術やMRIをもちいた細胞追跡技術の開発もおこなった。近赤外線領域の蛍光を発するナノ粒子やSuperparamagnetic ironoxide(SPIO)粒子を用いてBMSCを標識し、遊走する移植細胞を画像化することができた。(Neurosurgery誌に掲載、Cell Transplant誌に投稿中) さらに、脳梗塞ラットに対し発症7日後にBMSCを脳内に直接移植するモデルと、経静脈細胞投与をおこなったモデルを比較し、運動機能改善効果や細胞の生着について検討した。この比較では、脳内直接移植の有用性が明らかとなった。また、発症30日後に脳内に直接移植する移植する慢性期移植モデルを作製し、Therapeutic time windowの検討も行った。(Exp Neurol誌に投稿中) また、ラット慢性脳循環低下モデルや脳卒中易発症ラットをもちいて、BMSC移植による治療効果を検討した。これらの実験では、移植後に認知機能の改善や脳萎縮の進行を防ぐといった効果を実証した。(Dement Geriatr Cogn Disord.誌に掲載、Stroke誌に投稿中)
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Research Products
(23 results)