2008 Fiscal Year Annual Research Report
IgM/A受容体欠損マウスにおける精子形成異常の解析
Project/Area Number |
20390429
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本多 伸一郎 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60360640)
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Keywords | Fc受容体 / IgM / 精子形戍異常 / 雄性不妊 |
Research Abstract |
目的IgAおよびIgMに対するFc受容体であるFcα/μRの遺伝子欠損マウス(Fcα/μ-/-マウス)において精子形成異常の結果、雄性不妊が認められたことから、Fcα/μが精子分化に関与していると考えられた。本研究ではFcα/μ-/-マウスにおける精子細胞分化異常のメカニズムを明らかにすることを目的とする。 結果透過型電子顕微鏡Transmission-type Electron Microscope(TEM)を用いて、精巣における精子細胞の分化について観察を行った。野生型マウス精巣内には精原細胞Spermatogonia、精母細胞spematocytes、球状round及び伸長精子細胞elongated spermatidが認められたが、Fcα/μ-/-マウスの精巣内では球状精子細胞は異常な形態を示し、伸長精子細胞は確認されなかった。さらに走査型電子顕微鏡Scan-type Electron Microscope(SEM)を用いて、成熟精子の観察を行ったところ、野生型マウス由来の成熟精子は三目月状の形態をしていた。一方Fcα/μ-/-マウス由来の成熟精子は数が激減しており、存在した精子についても頭部が屈曲したり、凝集したような異常形態を呈していた。精巣体細胞におけるFac/uR遺伝子の発現を検討する目的で、精巣体細胞が存在するものの生殖細脚が存在しないWBBF1一W/Wvの精巣からmRNAを抽出し、RT-PCRを行った。その結果、WBBF1-W/Wvマウスの精巣においてもFcα/μ遺伝子の発現が確認されたことから、Fcα/μ遺伝子はマウス精巣体細胞にも発現していることが示唆された。以上の結果からマウス生殖細胞または精巣体綱胞に発現するFcα/μが精子形成に関与していることが示唆された。
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