2009 Fiscal Year Annual Research Report
IgM/A受容体欠損マウスにおける精子形成異常の解析
Project/Area Number |
20390429
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本多 伸一郎 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60360640)
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Keywords | Fc受容体 / IgM / 精子形成異常 / 雄性不妊 |
Research Abstract |
目的IgAおよびIgMに対するFc受容体であるFcα/μRの遺伝子欠損マウス(Fcα/μR-/-マウス)において精子形成異常の結果、雄性不妊が認められたことから、Fcα/μRが精子分化に関与していると考えられた。本研究ではFcα/μR-/-マウスにおける精子細胞分化異常のメカニズムを明らかにすることを目的とする。 結果H20年度の研究からFcα/μR遺伝子はマウス生殖細胞および精巣体細胞に発現することが明らかとなった。そこでFcα/μR-/-マウスの精巣由来生殖幹細胞の精子形成能を検討するため、c-kitの変異によって精子形成不全を呈するWBB6F1-W/W^Vマウスの精巣内へFcα/μR-/-マウスまたは野生型マウス由来精巣細胞を移植し、3ヵ月後に精巣を摘出、HE染色による組織学的な解析を行った。Fcα/μR-/-マウス由来精巣細胞を移植した精巣では野生型マウス由来精巣細胞を移植した精巣と同様に、正常に精子が分化し、精細管内腔において尾部の伸長した成熟精子が確認された。透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた解析においても、両精巣細胞から成熟した精子に明らかな相違は認められなかった。よってFcα/μR-/-マウスにおける精子形成異常は生殖細胞自身の異常ではなく、精巣体細胞の異常である可能性が示唆された。
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