2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤特異的マイクロRNAの機能解析と異常妊娠早期診断への臨床応用のための基盤研究
Project/Area Number |
20390437
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
瀧澤 俊広 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (90271220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 俊行 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188175)
松原 茂樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (20209597)
石橋 宰 日本医科大学, 医学部, 講師 (70293214)
羅 善順 日本医科大学, 医学部, 助教 (60339439)
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Keywords | 産科学 / 妊娠 / 胎盤 / microRNA / 妊娠高血圧症候群 |
Research Abstract |
胎盤におけるmicroRNA (miRNA)の特異的機能の解明をおこなうと共に、miRNAによる転写後遺伝子発現調節の仕組みから異常妊娠(妊娠高血圧症候群等)の分子病態を解析し、胎盤に発現している疾患特異的miRNAを臨床ツールとして用いた早期診断・治療開発につながる基盤研究を行うことを目的に研究を開始した。A)正常胎盤絨毛組織由来のmiRNAのクローニングとシークエンス結果を詳細にバイオインフォマティクス解析し、胎盤特異的miRNAの多くは第19染色体上の霊長類特異的miRNA遺伝子クラスターから発現していることを見出した。胎盤特異的miRNAが標的としているmRNAやシグナル伝達経路を同定するために、胎盤特異的miRNA (MIR517A)を過剰発現させた培養細胞(BeWo)を用いてプロテオミクス解析を行った。直接増減の変動をきたした蛋白スポットを2次元電気泳動により抽出し、質量分析を行い、58個の蛋白分子を同定した。その中で、in silico予測されるMIR517Aの直接の標的分子(標的mRNAから翻訳された分子)は含まれていなかったが、ingenuity pathway analysisから、栄養膜のアポトーシス、合胞体化抑制、ホルモン産生等に関与しているtumor necrosis factor (TNF)シグナル伝達経路の調節にMIR517Aが関与している新知見を見出した。さらに、第19染色体上のクラスターに存在する他の胎盤特異的miRNAの培養細胞を用いたプロテオミクスによる機能解析も進めた。B)妊娠高血圧症候群のサンプル採取をおこなった。さらに、サンプルからsmallRNAライブラリーを作製し、疾患特異的miRNAプロファイル解析として大量クローニングとシークエンス解析、PCRアレイ解析を進めた。
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