2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚形成過程における新規膜蛋白を介した細胞内外分子相互作用の解析
Project/Area Number |
20390466
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 英隆 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 教授 (80136499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 家吉 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (40243951)
清島 保 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (20264054)
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Keywords | 歯胚 / 発生・再生 / cDNAサブトラクション / in situ hybridization / 免疫組織化学 / アンチセンス法 / 器官培養 / 歯原性幹細胞 |
Research Abstract |
本科学研究補助金により平成21年度に以下の研究成果を得た。 ・ cDNAサブトラクション法により検出した、胎生12日の下顎に高発現する遺伝子Ribosomal protein L21(Rp121)の歯胚における発現様式を解析し、この遺伝子が歯胚の発生やエナメル質の形成に重要な役割を果たしている可能性を示し、論文に発表した。 ・ 蛋白構造のモチーフから細胞膜表面の受容体と予想される因子Protogenin (Prtg)について構造解析を行い、この因子が現在まで歯胚の発生・発育過程では報告されていない遺伝子である事を同定し、この因子の発現抑制をすると歯胚の形成が阻害され、さらに歯胚発生に重要な因子であるBone morphogenic protein 4の発現を抑制したる事から、歯胚の発生に重要なシグナル受容体であり、歯原性幹細胞との関連が示唆された。またin situ hybridaization法による検索から,本遺伝子が神経堤由来の細胞に発現している事が解った。PrtgはDCCやNeogeninなどとともにimmunoglobulin superfamilyに属している事から、リガンドとしてnetrinが候補に挙がるのではないかという仮説の基に、現在検索中である。一部については論文作成を終了し、投稿準備中である。 ・ thymosin beta 4 (Tb4)、について、我々はすでにこの遺伝子が歯胚の発生と分化に関連している事を明らかにし、Histchemistry and Cell Biologyに発表した(124:207-213,2005)。さらにTb4がDmp-1、Dspp、amelpgenin、amelpblastinなどの歯牙形成に係わる遺伝子の発現を制御している事や、これらの遺伝子の上流にあるRunx2/Cbfa1やNucleolinの発現制御も担っている事、さらに上皮細胞の間葉への陥入に必須の基底膜の改造に関わるMatrix metaloproreinase-2/-9の発現も抑制している事を明らかにし、多元的なTb4の機能解析を行った。現在論文作成中である。
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