2012 Fiscal Year Annual Research Report
Gap-junctionを介した象牙芽細胞複合体と歯髄神経・循環系との相互作用
Project/Area Number |
20390482
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 英治 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20222896)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 象牙芽細胞 / 歯髄 / gap junction / パッチクランプ法 / 透過式電子顕微鏡 / 位相差顕微鏡 / 象牙細管 / 蛍光小球 |
Research Abstract |
象牙芽細胞間および象牙芽細胞と下層細胞間のギャップ結合を電気生理学的に証明することに初めて成功した。前者は方向非依存性のsymmetricな電気特性を示し、若い歯髄ほど電気伝導性が大きい傾向を示し、3次元的なネットワークを形成していることがわかった(J Dent Res, 2013)。また後者は方向特異性を示し、細胞間に整流作用のあった。これらの結果は象牙芽細胞の突起が検知する刺激情報を2種の細胞が共有できる機構、すなわち歯髄表層の細胞ネットワーク全体で機能的合胞体を形成していることが明らかになった。また、象牙質内で分岐した象牙芽細胞突起は隣接する突起とは接しているものの、特殊化された構造物を介在しないことを電子顕微鏡学的に明らかにした(J Dent Res, 印刷中)。 象牙芽細胞層にはリンパ管終末、β2-アドレナリン受容体の存在が免疫組織学的に明らかになったことから、象牙芽細胞と交感神経、血管、リンパ管の相互作用が示唆された。 象牙質痛の機序として“動水力学説”広く支持されているが、外向きに細い象牙細管内で動水圧によって神経線維が機械的変形するために必要な(大径の歯髄側)象牙細管内水圧上昇機構を解明するために、励起波長と径の異なる蛍光小球を象牙質に作用させ外径0.04μm以下の小球だけが歯髄内側1/3と歯髄に達しえた。これにより径の大きい細管内側で一見矛盾する圧の上昇が生じ、これが感覚神経終末のみでなく象牙芽細胞突起にも機械的歪を生じる機構が示された(Arch Oral Biol, 2013)。 電気コンダクタンス‐リドカイン濃度の2次式への高い相関を明らかにした後、エナメル質を透過するリドカイン液の電気コンダクタンス変化を計測し、不透膜と考えられがちのエナメル質がイオン化した低分子に対して透過性を持つことを明らかにした(Arch Oral Biol, 2013)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)