2010 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン生化学的性状に起因する歯槽骨の表現型とその加齢変化パターンの同定
Project/Area Number |
20390494
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 博信 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00145955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 尚志 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (60330966)
松永 興昌 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (50389409)
片渕 三千綱 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (90454933)
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Keywords | 下顎骨 / 皮質骨 / 海綿骨 / 骨量 / CT / ミネラル / コラーゲン / リジン残基の水酸化 |
Research Abstract |
2007年4月~2009年10月に福岡歯科大学医科歯科総合病院でインプラント術前CT検査を受け,偏側に下顎第一大臼歯を有する男性患者36名(平均年齢55.9歳)と女性患者55名(平均年齢55.8歳)を被験者とし,有歯下顎骨臼歯部基底骨のCT画像から皮質骨量と海綿骨量を定量し,両骨の関係,骨量と年齢の関係およびそれらの性差を調べた.男女ともに皮質骨と海綿骨の骨量に相関がなく,両骨の骨量関係の多様性が認められた.皮質骨量は男性が女性に比べ有意に多かった.男性では骨量と年齢の相関はなかったが,女性では年齢とともに皮質骨量が減少する負の相関が認められた.歯を有していても女性は男性と異なり,下顎骨基底骨の皮質骨がもともと薄く,加齢とともにさらに薄くなる傾向が推察された.次に,男性献体27体(平均年齢76.7歳)と女性献体21体(平均年齢83.9歳)の下顎骨オトガイ部の皮質骨を用いて,骨基質分析(ミネラル量,コラーゲン量,コラーゲンリジン残基の水酸化の程度)を行い,骨基質の性差の有無を調べた.ミネラル量(男性:平均62.9%,女性:62.8%),コラーゲン量(男性:平均163.7μg/mg,女性:平均156.8μg/mg),リジン残基の水酸化の程度(男性:平均11.9%,女性:平均11.9%)ともに男女間に有意な相違を認めなかった.上記の2つの実験結果を単純に比較できないが,下顎骨の骨量には多様性があり男女差が認められるものの,コラーゲンやミネラルの骨基質は骨量と単純に関連しない可能性が推察された.
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