2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパクのノックダウンによる口腔がん治療のための基礎研究
Project/Area Number |
20390505
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東野 史裕 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (40399952)
北村 哲也 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00451451)
|
Keywords | HuR / ARE-mRNA / RNAi法 / ノックダウン / 口腔がん |
Research Abstract |
本研究の目的は口腔がん細胞でHuRの発現をRNAi法でノックダウンし、その手法を口腔がんの治療に利用するための基礎的研究を行うことである。 1)口腔がん細胞で発現しているARE-mRNAの核外輸送・安定化 初年度は各種がん細胞と正常細胞でのARE-mRNAの核外輸送・安定化を検討した。その結果どのがん細胞でも、正常細胞と比べるとおおむねARE-mRNAが細胞質に多く局在し、さらに安定化されていることが明らかになった。さらにがん細胞では、CRM1非依存的にARE-mRNAが核外輸送されていることも解明した。これらの研究結果はBritish journal of cancer, 100, 1943-1948, 2009に発表した。 2)RNA結合タンパクのノックダウン 次にHuRとpp32をノックダウンするために、RNAi法用のsiRNAの設計を行い、細胞にsiRNAを導入してHuRのmRNAやタンパクの減少を確認し、さらにc-fosなどのARE-mRNAの核外輸送や安定化が阻害されるかどうか検討した。さらにHuRがノックダウンされた細胞の性質、特にがんに関わる形質を様々な角度から検討した。その結果HuRノックダウンによりARE-mRNAの核外輸送・安定化が阻害され、HuRがノックダウンされたがん細胞は、足場非依存性の増殖能や、浸潤能などのがん細胞の性質を失った。以上の研究成果は、Molecular Cancer Researchに掲載が決定し、現在印刷中である。
|